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Saturday, March 28, 2020

「味が分かる。舌を残せて良かった」 舌下腺がん女性、陽子線治療で希望(福井新聞ONLINE) - Yahoo!ニュース

 ヨガ教室で顔をマットに着けるとあごが痛かった。滋賀県彦根市の女性(40)は、そのたび顔の角度を変えた。日常生活に不便はなかったが、次第にのども痛くなってきた。

 歯科医や耳鼻科では原因が分からず、滋賀県内の総合病院に行った。その間に口が大きく開けられなくなり、一口サイズの栄養補助食品すら食べづらくなった。2013年8月、5センチ大の舌下腺がんが見つかった。34歳だった。舌を全摘出し、太ももの肉で再建する手術を提案された。

 愛知県の病院でも全摘出を勧められた。全摘だと「らりるれろ」が発音できなくなり、味覚も元には戻らないと言われた。絶望したがどうしようもなく、手術日程を組んだ。

 知人が持ってきた記事の見出しに「食道、舌、前立腺がん 『夢の粒子線』は10年後の標準治療」とあった。切らずに済む治療法が書かれており、わらにもすがる思いで読んだ。

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 セカンドオピニオンのつもりで、すぐに兵庫県立粒子線医療センターへ向かった。医師から「あなたの人生はあと50年ある。舌を取ってはいけない。手術をすれば(傷跡が残り)外出もしなくなるだろう」と言われ、初めて自分の思いが理解された気がした。

 放射線の一つ、粒子線治療には水素の原子核を利用した陽子線と、炭素イオン線などを使う重粒子線治療がある。陽子線と抗がん剤治療を並行してやれば、5年生存率は上がるという説明も受けた。

 ただ、当時それができる施設は福井と福島県にしかなかった。女性は福井県立病院陽子線がん治療センターを選び、13年9月に入院。ちょうど20年の東京五輪開催が決まった頃で、世間は五輪のニュース一色だった。「東京五輪まで生きたい」と強く思った。

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 太ももから動脈にカテーテルを通して患部までつなげ、高濃度の抗がん剤を直接腫瘍血管から注入した。1回ごとに3週間空け、3クール。食欲がなくなるなどの副作用があった。並行して患部に陽子線を照射する治療を行った。

 治療は平日の1日1回で計35回。時間は準備を含め20分程度。照射しているときに痛みはなかったが、治療の後半になってくると、あごやのどがやけどのように赤くはれあがった。「痛い、熱い、かゆいの三重苦」。食べられるものは限られ、エビフライの衣は凶器のように痛かった。

 2カ月で退院した。症状はしばらくすると収まり、翌年2月には職場復帰を果たした。「辛いものを食べると今でも痛いけど、それ以外は食べられるし、味も分かる。舌を残せて良かった」

 11年3月に治療を開始した福井県立病院陽子線がん治療センターは、19年末までに1300人が利用。当時は国内9カ所目の粒子線の治療施設だったが、現在は陽子線だけで18カ所に上る。

 「治療の選択肢の一つとして、多くの人に陽子線を知ってほしい」と女性は訴えている。

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