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Thursday, July 16, 2020

小型機墜落、管理会社に賠償命令も…「遊覧飛行」東京都の責任は認めず - 東京新聞

 東京都調布市で2015年、小型プロペラ機が住宅街に墜落した事故に巻き込まれて死亡した鈴木希望さん=当時(34)=の母宏子さん(64)が、飛行場を運営する都と小型機の管理会社など2社に計約9500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は16日、2社の賠償責任を認め、計約7500万円の支払いを命じた。都への請求は棄却した。(小野沢健太)

小型機の墜落現場(矢印)。奥は調布飛行場=2015年7月、東京都調布市で

小型機の墜落現場(矢印)。奥は調布飛行場=2015年7月、東京都調布市で

 事故は15年7月26日に発生。5人乗りの小型機が調布飛行場を離陸直後に住宅地に墜落し、川村泰史機長=当時(36)=と同乗の男性=同(36)、自宅にいた鈴木さんの3人が死亡した。国の運輸安全委員会は、重量オーバーなどが原因で墜落した可能性が高いと指摘している。

 加本牧子裁判長は判決理由で、「機長は離陸前に重量確認をする義務を怠り、速度不足のまま離陸するなどの過失があった」と認定。機体管理会社「日本エアロテック」には「安全飛行のため情報収集をする運航管理担当者を置かず、重量オーバーなどの情報を機長に伝えなかった」と判断し、機長が経営していた航空会社「シップ・アビエーション」とともに賠償責任を認めた。

 遺族側は、機長は都と調布市が覚書で禁じていた「遊覧飛行」をしており、都は飛行場の使用を認めない義務を怠ったと訴えていたが、加本裁判長は「覚書の内容からただちに、特定の飛行に対して飛行場の使用を認めないようにする法的義務を負っていたとは認められない」と退けた。

 判決後、宏子さんは「違法な飛行を事前に防止する権限が都にはないという判決に驚いた。憤りを感じる」との談話を出した。警視庁は18年11月、業務上過失致死傷の疑いで日本エアロテックの社長と機長を書類送検している。

◆プロペラの音が響く現場「もう落ちることはないと信じたいけど」

 プロペラ機墜落事故を巡る訴訟で、東京地裁は調布飛行場を運営する都の賠償責任を認めなかった。事故後、都は飛行内容の事前チェックを厳しくしたが、周辺住民らは今も不安を拭えずにいる。

 「ブロロロロー」

 今月中旬、住宅街の事故現場を訪れると、飛行機の音が迫ってきた。見上げると、小型プロペラ機がゆっくり上昇している。機体横の窓がはっきりと見えた。近くの女性(70)は「離陸の音が聞こえるといつも不安。もう落ちることはないと信じたいけど」と表情を曇らせた。

 都と調布市が結んだ飛行場管理の覚書で、客を乗せる「遊覧飛行」は禁止されている。事故機は技量を維持するための「慣熟飛行」と届け出たが、実質的には遊覧飛行だったとされる。

 事故後、都は運用を改め、慣熟飛行は操縦資格がある人しか同乗できないよう義務づけた。従来は確認していなかった機体重量も、届け出書類のチェック項目に加えた。

 ただ、依然として許可制ではなく届け出制。都の担当者は「届け出内容に違反があれば、機体使用登録の取り消しも辞さない」と強調するが、飛行の可否判断はしていない。

 事故時、自宅を大量の火の粉が襲ったという金子和弘さん(73)は「飛行場を管理運営しているのは都だ。強い当事者意識を持って、事故が二度と起きないよう万全を期してほしい」と求めた。

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