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Wednesday, October 7, 2020

「会社はディズニーランドじゃない」キャリアのカリスマが語る6つの処方箋【moto×金井芽衣対談】 - Business Insider Japan

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対談したmotoさん(左)と金井芽衣さん。motoさんは顔を公開しておらず、この日も写真撮影に備え自作のうちわを用意していた。

撮影:今村拓馬

好きなことを仕事にするべき?どうすれば理想のキャリアに近づける……?

転職や副業など、キャリア開発で今注目を集める2人、『転職と副業のかけ算』がベストセラーとなったmotoさんと、「POSIWILL CAREER(ポジウィル キャリア)」を運営する企業で社長を務める金井芽衣さんの「キャリアのカリスマ」対談が実現した。

motoさんは5回の転職を経験。motoさんが運営するメディア「転職アンテナ」によると、現在の収入は本業での年収が1500万円、副業での年収が1億円を超え、著書『転職と副業のかけ算』が6万部のベストセラーに。

金井さんは、3カ月単位で中長期にキャリア支援サービスを展開するポジウィル社長。20代を中心に転職などキャリアにまつわる悩みに向き合っている。

大きな変化の中で、キャリアも人生も先行きの見えづらい時代、不安や悩みは尽きない。2人の対談から浮き彫りになった6つの処方箋を紹介する。

1. キャリアに正解なし

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キャリアについて、二人には多くの相談が寄せられている。

撮影:今村拓馬

——いろいろな相談を受けていると思いますが、どんな相談が多いですか?

moto:キャリアに対する答えを求める相談が多いですね。僕はTwitterのDM(ダイレクトメッセージ)で多く相談をもらいますが、キャリアには答えがないんですよね。

「この会社を選んだ方がいい」とか「こういう職種に転職した方がいい」みたいな正解ってないと思うんです。でも、多くの人が「答えがある前提」で正解を求めて転職を考えていますが、僕はキャリアの答えは人それぞれにあると思ってます。

キャリアに答えがあるのではなく、「自分がどうなりたいか?」という問いの中に、取るべき手段や道筋としてキャリアの選択肢があるものだと思います。「自分がどうしたいか」というビジョンを持たずに、「何をしたらいいのか?」を考えても答えは出ない気がします。

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撮影:今村拓馬

金井:なぜ答えが欲しいかと言うと、誰かに正しいといってほしいんだと思います。motoさんにDMを送る人の心境は、「motoさんから大丈夫と言われたから、大丈夫だ」と思いたい。

でも自分の人生を「大丈夫」にしていくのは自分自身。自分で行動するしかありません。勉強をがんばってきた人ほど、答えを求める傾向が強いように感じますね。motoさんは短大卒で、私も短大から大学に編入していますが、自分で正しいと思ったことをやりきってきたから、今がある。

親から「この塾に行け」とか「この会社に行け」とか言われてきた人生だと、「言われた通りのはずなのに違う」と感じてしまうんじゃないかな。

moto:“いい会社”って人によって違いますよね。でも多くの人が「良い大学」と同じように「良い会社」があると思っている。「青い鳥症候群」じゃないけど、自分にとって一番いい会社が、きっとどこかにあると思って探している人もいますが、本来は「自分がどうなりたいか」に応じて、キャリアの選択肢を選ぶものだと思います。あとは自分で選んだキャリアを正解にしていくだけ。正解がないからこそ、自分の意志を明確に持つことが大事ですよね。

2. 人の頭で考えるな、自分の頭で考えよ

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金井さんは、「人の頭で考える人が多い」と指摘する。

撮影:今村拓馬

金井:最近では、看護師や保育士など専門職からも、キャリア相談「POSIWILL CAREER」の利用が増えています。資格を取ってまで悩んでしまうのは、他の選択肢が見えちゃうからだと思います。

moto:主体的にキャリアを考える人は昔に比べて増えましたよね。働く環境の変化やSNSの普及もあって、個々のキャリアや働き方に関する情報量が増えたことが要因の一つだと思います。

情報量が増えたのは良いと思いますが、キャリアの評論家になっては意味がないので「自分だったらどんなキャリアを選ぶか?」という思考回路を自分の中に持つことが大事だと思いますね。

金井:人の頭で考えようとする人も多いと感じています。「私はどうしたい」ではなく「どうしたらいいですか?」と。だけど、誰かに聞いても何も出ててこない。自分で何をしたいか、何ができるか。人の頭で仕事をしている場合じゃないと思います。

3. 会社はディズニーランドではない

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motoさんは、「人から感謝されること」がカギになると話す。

撮影:今村拓馬

—— SNSでは「好きなことを仕事に」という発信も多いですが、お二人の考えは?

moto:僕は、世の中から必要とされる仕事をするのが前提だと思います。好きなことを仕事にするという考え方もありますが、得意なことを仕事にする方が、自分の価値を発揮しやすいと思う。

「人からありがとうと言われる行動は何か?」を突き詰めた先に、自分の価値が見えてくるはず。情報ばかり吸収してキャリアの評論家になるのではなく、自分が他者から感謝される行動を磨くことが大事です。

金井:motoさんの言う「感謝されること」は、進んでやれることだと思います。

苦手な事をがんばっても感謝されませんよね。例えば、私が今からプログラミングを学んでプロダクトを作ろうとしても、「他の事をやって」と言われちゃうと思います。

市場からの期待と、苦痛でないことが掛け合わさっている部分をやらないと、納得できるキャリア設計はできません。

好きなことだけで考えると、お金につながらないことも多い。例えば、上手でもないのに「写真を撮るのが好きだから」とか、そういう感情だけで転職しようとしても、スキルが売れなければ、磨かれもしません。

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撮影:今村拓馬

moto:お金をもらうということは相手がしてほしいことをすることが基本ですよね。「自分がやりたい事をしたい」というのは“自分の欲求”でしかない。会社は自分がやりたいことや、自分だけの夢をかなえる場所ではない。会社はディズニーランドではないですから。

あと、好きを仕事にしている人の中には、「好きを仕事にすることを仕事にしている人」もいると思うんですよね。彼らは好きを仕事にしている自分をプロモーションする仕事をしている。

彼らも自分が得意なことを仕事にしているので、安易に表面だけなぞっても同じようにはなれないと思います。

—— お二人は好きなことを仕事にしているようにも見えますが。

金井:仕事をすることは好きですが、今の仕事が好きかと言われると、そうではない。私の場合は、今の仕事が得意なんです。どこにニーズがあるか発掘し、形にして、人を巻き込み、お金を集めること。それが向いています。あと、こういう社会にしたいという使命感があります。それでも、仕事が苦痛なことはたくさんありますね。

moto:僕も好きなことを仕事にしているわけではないですね。お金を稼ぐ文脈で得られる経験のために仕事をしてます。お金につながる、つまり世の中に価値があると感じてもらえる領域で自分ができることをやっています。仕事が好きとか嫌いとかは関係ないです。

最近はいくら稼いだら満足なのかと聞かれますが、お金が増えるほどに選べる選択肢も増えるので、満足することはないです。稼いだお金を使って次のチャレンジをする。それが、お金を稼ぐ目的です。

4. 年収は自分の位置を把握するためのGPS

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年収の公表を続けているmotoさん。その理由とは?

撮影:今村拓馬

—— motoさんはこれまで年収の公開を続けています。1社目のホームセンターは年収240万円、4社目の楽天で年収700万円、現在はスタートアップ企業での年収1500万円に加え、副業での年収が1億円超……。年収を公開し続けている意味は何でしょうか?

moto:年収は自分の価値の一つの指標だと思うんですよね。年収は労働市場における一つの定量評価だし、労働市場における自分の立ち位置を把握するGPSにもなる。

転職のオファー面接で年収の話をするのは当たり前ですし、年収が不満で会社を辞める人もいるくらいに仕事とお金は隣り合った関係にあるわけです。僕は自分の価値を示す上で年収を公開していますが、自分のお金や価値の話はしっかりできたほうがいい。会社は毎月安定して給与を振り込んでくれるATMではないし、評価によっては年収が変わるわけです。

あなたの価値は何ですか?という問いに答えられるようにするためにも、今の年収における自分の仕事の意味や価値、できることを把握しておくのは大事だと思いますね。

金井:転職も同じで、企業側に「自分を雇うことでどういうメリットがあるのか」を伝えないといけません。求職者は、今の会社を辞めたいから転職を考えるかもしれないけど、何を提供できるか伝えられない状況で転職活動しても意味がないと思います。

5. 嫌だと思ったら、分解して考える

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金井さんは「自分や相手がなぜそう思うのか分析して考える事が大切」と話す。

撮影:今村拓馬

—— 徹底的に考える姿勢が印象的ですが、思考の力をつけるにはまずは何から始めればいいでしょうか?

金井:疑問を持つことが大事だと思います。例えば「営業は嫌だ」という人が多いですが、何が嫌なのか、疑問を持って考えてみます。

新規開拓が嫌なのか、売れない事が嫌なのか。そもそも営業と言っても、既存と新規、法人と個人、有形と無形がある。まずは要素を分解すること。

ゼロか100かでなくて、分解して、その中で何が嫌なのかを考える。自分や相手の感情も、毎日分解して考えていくと、思考がシャープになります。

moto:いい意味で素直になることだと思いますね。上司に言われたことを言われたとおりにこなしながらも、『本当にこのやり方でいいのか?』と、素直に考えることが大事です。少しでも違和感を感じたら、その違和感に素直になって、より良いやり方を作り上げることが自分の経験値になるはずです。

あとは、考えるだけでなく行動すること。スタートは誰もがゼロからはじまります。やるかやらないか。続し続けたか、思考し続けたかの差が、仕事における差になっていくと思います。

6. 痛み無くして、得るものはない

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「まず行動に移すこと」。その考え方は二人とも共通していた。

撮影:今村拓馬

—— 目標に向かって努力を続けるコツはありますか?

moto:自分がこうなりたいという景色の解像度を高めることですね。そして、今すぐできることから実行する。何となくこうなりたい、ではなく、手触り感を持って想像できるレベルまで想像して、何をすればいいか決めるんです。

どうなりたいかは誰にでもあるはずです。例えば世界中を旅行したいとか、ずっと漫画を読んでいたいとか。仮にその生活をゴールとした場合、それを実現するには何をして、具体的に年収でいくらあればいいのかなど、実現した場合の景色を考える。

月収30万円必要なら、旅行していても30万円が入ってくる仕組みを作ればいいわけです。その仕組みを作るにはどうすればいいか、今できることは何か、などいろいろと考えることができるはずです。僕はいつもシンプルに考えるようにして、常に行動に移すまでの時間を短くするようにしてます。

目標達成するためにいろいろ考えても、何も実現できずに終わってしまうので、全ては行動あるのみだと思います。

金井:楽をして得られるものは少ない。私の座右の銘はNo pain,No gain(ノーペイン・ノーゲイン)。痛いこともしないで何かを得られるほど、人生甘くない。

打席に立っていない人が多いと感じます。そもそも、最初はできないものなのだから、できたらラッキーと思ってやってみることだと思います。

(聞き手・滝川麻衣子、文・構成、横山耕太郎

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October 08, 2020 at 09:05AM
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