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Friday, December 11, 2020

ソフトバンク、ロボット開発のBoston Dynamicsをヒュンダイに売却。将来的に病院や介護などに活用 - Engadget日本版

Hyundai

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韓国の現代自動車(ヒュンダイ)が、ソフトバンク傘下のBoston Dynamicsを買収することが決まりました。ヒュンダイはBoston Dynamicsの株式80%、約8億8000万ドル(約915億円)分を所有し、ソフトバンクは持株子会社で20%を保持します。

両社が11月にヒュンダイへの売却に関して話をしていることは本誌でもお伝えしていましたが、その交渉がようやくまとまった形です。今後ヒュンダイは株式の取得を進め、2021年6月にすべての取り引きを完了します。

ヒュンダイはこの買収について「ロボット工学の分野で主導的な存在感を確立し、現代自動車グループがスマートモビリティソリューションプロバイダーへ戦略的変革するのに向けた新たな、大きな一歩となる」とし、「オープンイノベーションを通じて人類の自由で安全な運動を実現するという継続的な取り組み」の一環だとしました。

一方、ソフトバンクグループの孫正義氏は「Boston Dynamicsはスマートロボティクスの代表的企業です。私たちは、世界をリードするグローバルモビリティ企業の1つであるヒュンダイと提携し、彼らが商品化への道を加速することを楽しみにしています。ボストンダイナミクスには非常に明るい未来があり、私たちは会社の成功に投資し続けます」とリリース文にコメントしています。

ヒュンダイはBoston Dynamicsが「知覚、ナビゲーション、知能をもつ高性能なロボット開発のためのキーテクノロジー」持つこと、さらにボストンとシリコンバレーに拠点を持つことが優秀な人材を集めるためにも有効であることから買収を決めたとしています。

マサチューセッツ工科大学で生まれ、1992年にスピンオフ企業として独立したものの、その後2013年にGoogleの先端技術プロジェクトXの一部門として買収されたBoston Dynamicsは、そこでBig Dogをはじめとしたいくつかのロボットを開発しました。いずれもそれまでのロボットとは一線を画す運動能力を備え、その動きでわれわれを驚かせましたが、収益化の道を見つけることは難しく苦戦Googleは2018年にソフトバンクにこのロボット企業を売却しました。

ソフトバンクのもとでは4脚歩行型ロボットのSpotMiniの実用化を模索し、実際にこの犬型ロボットはいくつかの現場で職を得ることに成功しました。また3Dカメラを使用した物体検知システムPickを開発するKinema Systemsの買収により、その技術を直接販売するほか、2脚ロボットHandleに組み合わせ、工場や物流現場での利用に最適化しようとする動きもあります。

ヒュンダイは「高齢化社会とデジタルトランスフォーメーションの世界的なトレンドの中、安全性やセキュリティそして公衆衛生を強化し、社会に貢献」したいと述べ、将来的にはBoston Dynamicsの技術を病院や介護などの分野に向けたヒューマノイドを開発し、サービス拡大に活用したい考えです。すでにBoston Dynamicsは宙返りなどパルクール能力を身につけたAtlasの開発による経験と技術の蓄積があるため、その目標を実現する下地はすでにあると考えて良いかもしれません。

source:Boston Dynamics, Softbank(PDF), Hyundai Motor Group(PR Newswire)

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