快適な住まいを手に入れるうえでは、土地選びは重要なポイントです。特に角地は人気が集まりやすく、ほかの土地とは異なるメリットを備えているため、有力な候補として検討している人もいるでしょう。しかし、角地を購入する際には、事前に押さえておきたい注意点がいくつかあるのも事実です。今回はトラブルを避けるために知っておくべきポイントを3つに分けて解説していきます。
まずは特徴を理解しておこう! 角地の特徴と主なメリット
角地の注意点について見ていく前に、まずは特徴を正しく理解しておきましょう。ここでは、角地の主なメリットと併せて解説していきます。
角地の定義とは
角地とは、「2方向の道路に接した角の土地」のことを指します。2面以上が道路に接していることにより、一般的な土地とは異なる特徴を持っており、メリットの多い形状とされています。
なお、L字形の道路の角にある土地は「準角地」と呼ばれ、角地とは区別されるケースが多いです。どちらも一般的な土地より利便性が高い性質を持っているため、周辺と比べて価格も高くなるのが一般的です。
角地のメリット
角地の大きなメリットとして挙げられるのは、日当たりの良さと開放感です。2方向から光や風を取り込めるため、明るく快適な住まいを実現させやすいといえます。
また、角地は2方向どちらにも玄関を設けられるため、間取りの自由度が高い点も魅力です。駐車スペースと玄関を分けたり、日当たりの良い方角にリビングを設けたりといったさまざまなプランが実現可能なのです。
さらに、角地は道路に開けていることから、人目につきやすく防犯性が高いといったメリットもあります。こうした特徴を持つことにより、注文住宅用の土地として人気が集まりやすいため、資産価値も下がりにくいとされています。
トラブルを避けるために押さえておくべきポイントその1:道路斜線制限
角地にはさまざまなメリットがあるものの、実際に購入する際にはいくつか注意しておかなければならない点があります。ここでは、そのうちのひとつである「道路斜線制限」について見ていきましょう。
道路斜線制限とは
道路斜線制限とは、道路の採光や通風を確保するために、面している建物の高さにかかる制限のことです。面した道路の反対側から一定の勾配で上空に向かって直線を引いたものを道路斜線と呼び、それよりも高い範囲に建物を建てることはできません。
具体的な高さの制限は用途地域や道路の幅によっても異なります。たとえば、斜線が同じ勾配であれば、道路が広ければ広いほど、高さの制限は緩やかになるのです。
また、道路との距離が一定以上あれば制限を受けないなどの例外もあるため、土地を購入する際には具体的に斜線制限の高さを確かめておくことが重要です。
角地と道路斜線制限の関係性
角地においては2方向の道路の斜線制限を気にしなければならないため、通常の土地よりも建物の高さを意識しておく必要性が高いです。ただ、複数の道路に面した土地では、狭いほうの道路側に関して一定の緩和措置を受けることができます。
これは道路斜線制限の2道路緩和と呼ばれており、住宅の形状や間取りにも大きな影響を及ぼすため、角地を購入する際には正確な高さの上限を計算しておきましょう。
トラブルを避けるために押さえておくべきポイントその2:建ぺい率の角地緩和と隅切り
角地を購入するうえで知っておきたい2つ目のポイントは、「建ぺい率の角地緩和」と「隅切り」です。ここでは、具体的な仕組みを見ていきましょう。
建ぺい率の角地緩和とは
土地にはそれぞれ、用途地域ごとに建築面積の上限が定められており、これを建ぺい率と呼びます。周囲の日照を妨げないようにしたり、火災の際に延焼を防いだりする必要があるため、決められた建ぺい率以上の面積に建物を建てることはできません。
しかし、角地は2方向以上が開放されているため、一定の要件を満たせば建ぺい率を10%加算することができるのです。これを「角地緩和」と呼び、角地を購入する大きなメリットのひとつとされています。
具体的な要件は自治体ごとに異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
隅切りに注意が必要
隅切りとは、交差点の見通しを確保したり、安全に曲がれるようにしたりするために、角の一部を道路や空き地にしなければならない決まりを指します。隅切りが適用される基準や範囲は、自治体によってさまざまであり、角地に家を建てる際には事前に確かめておくことが重要です。
隅切りの必要がある場合は、住まいの間取りにも制約が生まれるため、その他の制限と併せて事前に役所の建築指導課などへ問合せをしましょう。
トラブルを避けるために押さえておくべきポイントその3:外構工事の設置費用
角地の購入に際して、目を向けておくべきポイントの3つ目は外構工事のコストです。ここでは、角地に家を建てる際に重要な外構工事について、詳しく解説していきます。
外構設置費用の目安
2つの道路に面した角地は、プライバシーの保護や車との接触を避けるために、フェンスやブロック塀などで外構工事を行う必要があります。また、2面分の工事を行わなければならないことから、通常のケースよりもコストがかかりやすい面もあるのです。
具体的な費用は材質や施工内容によっても異なるものの、新築の場合は住宅本体の10%ほどが目安とされています。住居の顔となる玄関前の門まわりは15~30万円程度、住居を囲む塀は50~100万円程度が相場であり、施工箇所の長さや面積単位で算出されるのが一般的です。
材質もブロック、アルミ、樹脂、木材などさまざまなものがあるため、価格とのバランスに目を向けながら、イメージに合ったものを選びましょう。
メリットを生かして快適なマイホームを! 角地に建てられた一戸建ての事例
いくつかの注意点を押さえておけば、角地は快適な住まいを実現させるためのメリットに恵まれた立地だといえます。ここでは、LIFULL HOME’Sの「角地の新築一戸建て特集」から、角地に建てられた住居の事例を具体的に紹介していきます。
事例1:日当たりの良い南東角地の3階建て4LDK
南東の角地は、午前中と日中のどちらもしっかりと日差しが差し込む抜群の日当たりが魅力の好立地です。この事例ではLDKが南東に面しているため、南側と東側の両方から採光でき、明るく暖かな団らんのスペースを確保できます。東側に設けられた吹き抜けから差し込む朝日も魅了的です。
また、水回りの設備が北側にまとめられ、4つあるうちの3居室が日当たりの良い南側あるいは東側に配置されている点も特徴です。
北側に面した居室は、その他の方角に面した居室より採光は劣りますが、1日をとおして安定した採光を得られるため、仕事部屋や勉強部屋に適しています。用途に応じて使い分けるとよいでしょう。
事例2:独立した区画の角地に建てられた3階建て4LDK
住宅用の角地を選ぶ際には、区画整理によってあらかじめ独立された区画から選ぶのもひとつの方法です。この事例では、周囲の道路は区画内の住居者しか立ち入らないことが前提となっているため、日当たりの良さはそのまま生かしつつ、外構を設置する必要がありません。
また、それでいて区画内の道路は6mの幅員が確保されているため、車の出し入れも楽です。角地のデメリットをカバーしつつ、メリットを存分に生かせる点が、独立した区画の魅力だといえます。
いくつかの注意点を押さえておけば、角地には魅力が満載です。
最後にポイントをおさらいしておきましょう。
- 角地には日当たりの良さや間取りの自由度の高さなどのメリットがある
- 角地は2方向の道路斜線制限を意識しておく必要がある
- 建ぺい率の角地緩和や隅切りにも目を向けておく
- 外構設置費用がかかりやすいため、住居以外のコストも考慮しておく
- 角地のメリットを生かした住居の事例を知っておくと便利
からの記事と詳細 ( 【ホームズ】角地って本当に便利? トラブルを避けるために押さえておきたい3つのポイント | 住まいのお役立ち情報 - LIFULL HOME'S(ライフルホームズ) )
https://ift.tt/3qJ8vk7
No comments:
Post a Comment