
特集は、長野県飯田市で定番の味です。今や「焼き肉の街」としてお馴染みの飯田市ですが、実は、麺が「もっちりやわらかめ」のラーメンを出す店がいくつかあります。そのルーツとも言える店で、やわらかめのラーメンの秘密と長く愛されてきた理由を探りました。
飯田の街に多くの市民に支持される一軒のラーメン店があります。
飯田市民:
「あそこのラーメンとてもおいしいですからね」
「よそから来た人には好き嫌いが分かれるが、自分は好きですよ」
「飯田のラーメンっていうと『上海楼』。県外へ出ていっても、戻ってくると必ず『上海楼』」
溢れんばかりのスープに太目の麺。こちらが、その「上海楼」の中華そばです。
飯田市街地の銀座通りに店を構えて60年になる「上海楼」。昼どきは多くの客でにぎわい、外に行列ができるほどです。
店主は5代目の伊藤秀司さん。
上海楼 店主・伊藤秀司さん:
「毎日、うちは波のない方なので、こんな感じで客が来ている。非常にありがたい」
一番人気はシンプルな「中華そば」(720円税込)。豚骨でだしをとったしょう油ベースの澄んだスープに、中太のストレート麺が入っています。
客:
「小さいころからここのラーメン食べているので、たまに食べたくなるというか、自分にとって特別な店」
1日で出る麺類は120杯ほど。客に人気の理由を尋ねると…。
客:
「ここの麺が一番おいしい。モチモチ感ありますね」
「麺がモチモチしていてやわらかい感じ」
「若干やわらかいけど、そんなにのびない」
どうやら、やわらかめの麺に秘密があるようで、仕込みを取材させてもらいました。
作業が始まるのは早朝。製麺機に小麦粉を入れ、続いて投入するのは…。
上海楼 店主・伊藤秀司さん:
「重曹です」
通常、中華麺には弾力や風味を出すためアルカリ塩水溶液、いわゆる「かん水」が使われます。
しかし、「上海楼」では、菓子類を膨らませる時などに使われる、重曹を代わりに使用。これがモチモチとしたやわらかい麺の秘密です。
上海楼 店主・伊藤秀司さん:
「初代からやっていると思います。重曹を使った最初の意図は分からないが、提供している時にお客さまからはお声もいただいただろうし、それで好評だったので続けているのではと思う」
経緯ははっきりしませんが、独特の食感は創業以来のものです。
同じようにやわらかめの麺を出す店があります。飯田駅近くにある「新京亭」です。
新京亭 店主・伊藤寿彦さん:
「麺の材料は小麦粉と塩と重曹」
使っている小麦粉などは「上海楼」と異なりますが、こちらも重曹を使用しています。
新京亭 店主・伊藤寿彦さん:
「麺は2分も茹でないかな。1分半くらい」
豚骨と煮干しでだしをとったしょう油ベースのスープに、重曹を使った麺の「中華そば」(650円税込)が一番人気です。
麺が似ているのも当然で、「新京亭」は「上海楼」のいわば「姉妹店」。「新京亭」を立ち上げた先代の邦幸さんは、「上海楼」の2代目・伊藤学さんのいとこで、「上海楼」で修業していました。
「新京亭」も常連客に支えられています。
客:
「おいしい。昔ながらの味。子どものころから味が変わらなくて、そういうところがいい」
「地方のいろんなラーメン食べているが、やっぱりここの味には勝てない」
新京亭 店主・伊藤寿彦さん:
「重曹の麺は、苦みが少ないかな。色がかん水だと黄色くなりますけど、重曹だと白っぽい。つるつる、もちもち、ちょっとやわめの麺。好んでもらえるのは、ありがたいこと。地道にやってきたことが実ってきた」
「上海楼」と「新京亭」。どちらも半世紀以上にわたり人気を維持してきただけに、影響力は大きかったようです。
飯田市役所観光課の担当者:
「『上海楼』も『新京亭』も飯田の市街地に昔からある店。長い間、市民に愛されてあるということで、市民の方もそういった麺を好むようになったのではないかと思う」
そうしたことが背景になってか、飯田市にはモチモチとしたやわらかめの麺のラーメンを提供する店が他にもあります。
インターネットのブログやレビューサイトを覗くと…。
A店:
「麺はちょっとのびてる?と思われるやわらかさ。これ食べたくなるんですよね」
B店:
「やわやわな食感。麺が白いのは、かん水を混ぜないからだとか」
C店:
「飯田地域特有のモチモチ・やわやわ食感が特徴的」
やわらかな麺がどう広まったかは、はっきりしませんが、もはや「飯田ラーメン」とも呼べる存在感。
ルーツとされる「上海楼」の伊藤さんは、これからも定番の味を守りたいと話しています。
上海楼 店主・伊藤秀司さん:
「同じものをやっぱり作りたい。そこを大事にしながら飯田を盛り上げていきたい」
からの記事と詳細 ( 【特集】飯田の定番の味 「もっちりやわらかめのラーメン」 ルーツの店で探る 麺の秘密と人気の理由 - FNNプライムオンライン )
https://www.fnn.jp/articles/-/152503
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