
新型コロナウイルスの影響でサラリーマンなどが加入する健康保険組合の財政が悪化する中、大阪にある衣服の製造販売会社で作る健保組合が、来月(4月)1日で解散することがわかりました。
健康保険組合連合会によりますと、新型コロナの影響を受けて健保組合が解散するのは初めてだということです。
解散することになったのは大阪にある紳士服などの製造販売会社で作る「大阪既製服健康保険組合」です。
サラリーマンなどが加入する健康保険組合は、企業と個人の双方が保険料を支払い、加入者の医療費の窓口負担が3割以下に抑えられています。
関係者によりますと、大阪既製服健康保険組合は、新型コロナウイルスによる経済の悪化などで、保険料の収入が大幅に減少して組合の財政が悪化し、来月1日付けで解散することを決めました。
組合には50余りの会社の従業員やその家族およそ2400人が加入していて、解散後は、主に中小企業の従業員が加入し公費が投入されている「協会けんぽ」に移ることになります。
健保連=健康保険組合連合会によりますと、新型コロナの影響を受けて健康保険組合が解散するのは初めてだということです。
大阪既製服健康保険組合は、「去年の5月ごろから新型コロナの影響が出始め、加入者のためにもなんとか踏みとどまりたいと思っていたが、解散せざるをえなくなり大変残念だ」と話しています。
【健保組合が解散すると】。
健康保険組合が解散するとどうなるのか。
加入者は主に中小企業の従業員が加入する「協会けんぽ」に移ります。
協会けんぽは企業や個人が支払う保険料のほか、公費も投入されています。
協会けんぽに移っても窓口負担は引き続き3割以下に抑えられます。
一方で、保険料の割合が高くなったり、健康サービスが縮小されたりするケースもあります。
解散することを決めた大阪既製服健康保険組合では協会けんぽに移行することで保険料率がやや引き上がるほか、一部の予防接種の補助など、受けられなくなる健康サービスも出てくるということです。
【悪化する健保組合の財政】。
健康保険組合は、全国で3000万人近くが加入しています。
企業と個人が支払う保険料で運営され、医療費の窓口負担を3割以下に抑えたり、人間ドックの補助など、健康サービスを提供したりしています。
この健康保険組合は新型コロナウイルスの影響で、財政が悪化しています。
保険料は収入の金額に応じて決まるため、経済の悪化で従業員の給与が減ると、そのまま保険料の減少につながります。
さらに、新型コロナウイルスの感染拡大以降、業績が悪化して保険料を支払うことが難しくなった企業も相次いでいます。
国は、1か月の収入が前の年の同じ時期と比べて20%以上減少した事業所などを対象に、保険料の納付を最大1年間猶予する特例措置を設けています。
ことし1月には全国498の事業所があわせて39億円余りの納付を猶予されています。
去年3月から1月までの猶予総額は、432億円にのぼっています。
健保連=健康保険組合連合会の佐野雅宏副会長は、「新型コロナの影響がどこまで続くのか不透明な中で、今後も健保組合の解散が相次ぐことを危惧している。保険料の納付猶予制度だけでは運営が維持できない組合も出てくる可能性があるので国にはさらなる支援を求めていきたい」話しています。
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