酒店の一角で飲む『角打ち』飲食店ではなく“時短要請の対象外”であるために苦境に?
更新:2021/06/04 20:25
酒店の中には、買った酒を店内で客が自分でフタを開けて飲むことができる店があり、そこは『角打ち(かくうち)』と呼ばれています。そんな角打ち酒場は、飲食店ではないため時短要請の対象外で協力金も対象外となりますが、街からは人が消えていて経営は苦しく、嘆きの声があがっています。
昔懐かしいポスターに立派な看板。神戸市東灘区にある「榊山商店」。開業100年を超える老舗の酒店です。店を経営するのは3代目の上野晃さん。84歳です。
(上野晃さん)
「人気商品は…お客さんが好みのものを揃えてる。缶詰とかおつまみ」
(Q作った料理は出さない?)
「出さない。それは許可が要るからしていないんです」
店には『角打ち』と呼ばれるちょっとした立ち飲みスペースがあり、酒やおつまみを買って飲食することができます。現在こうした角打ち酒場が壁に直面しています。
(上野晃さん)
「協力金なんかもらえると思って電話したら対象外と言われてね」
現在、時短営業要請に応じた場合に1日4万円が支給される協力金は、保健所から飲食店としての営業許可を受けた店が対象とされています。一方で上野さんが経営する角打ち酒場は、手料理は一切出さないため、保健所の営業許可は受けていません。そのために協力金の対象外となるのです。
工場の多い神戸で浸透した『角打ち』。神戸小売酒販組合によりますと、加盟している市内の酒店・約240軒のうち70軒ほどが『角打ち』ができます。うち半分ほどは保健から飲食店営業許可を受けた店で協力金も受け取っていますが、上野さんのような店は受け取ることができないのです。
(上野晃さん)
「補償とかそういうのはね、いただいたら一番いいんですけどもね。皆さんがもらってはるんだから」
角打ちのファンも店の存続を願います。
(常連客)
「おいさんのオアシスです。オアシス。こういう酒屋さんの角打ちがなくなったら大変ですよね」
神戸小売酒販組合にも協力金についての相談が相次いでいます。
(神戸小売酒販組合 三橋敏弘理事長)
「協力金をちゃんといただけたら、僕としてはそうして欲しかったなと思うけども、ああいう形で切られたから、ちょっと残念ですね」
兵庫県は、こうした組合などからの嘆願などを受け、売り上げが3割以上5割未満減少した酒類販売事業者に月10万円を支給するとしました。それでも飲食店が受けている協力金にはほど遠い額です。
(上野晃さん)
「(Q店は続けていけそう?)これはわかりません。1年1年が勝負ちがいますか」
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