
「プレミアムフライデー」のように、いつの間にか忘れられる(これまでの働き方に戻る)予感がしてならない。それは、「何のために働き方を変えるのか?」と、問うことなく、働くこと自体が目的化しているからだ……。 働く目的は何か? それは、やりたいことすること――。「世界一やりたいことができる会社なる」というスローガンを掲げるオアシスライフスタイルグループ(東京都豊島区)。このたび、社長の関谷有三さんが『なぜ、倒産寸前の水道屋がタピオカブームを仕掛け、アパレルでも売れたのか?』(フォレスト出版)を上梓した。 まず、関谷さんの経歴を紹介する。1977年栃木県生まれ。国立中学を経て県内トップの進学高校に進むが、男子校だったこともあり「女の子にもてたい」という思いから、ヤンキーグループに入り、勉強はおろそかになる。それでも「大学はとにかく東京に」という思いで浪人後、「響きがオシャレ」という理由で成城大学に入学。イベント系サークルを主宰して大フィーバーを巻き起こした。 大学卒業を控えて、「このままイベント屋にでもなろうか」と考えていたとき、父親から「体調が悪いので、帰って水道屋(従業員5人)を手伝ってくれ」と頼まれ、「これまで好き勝手やることを許してくれた親への恩返し」という気持ちで渋々引き受けた。「絶対、実家に帰ることだけは嫌」と思っていた選択をあえてした。3年間はノイローゼになるほど苦しんだが、転機が訪れた。 地元の宇都宮大学と提携して「オゾンによる水道管のメンテナンス」という新技術を開発。経産省の事業にも採択され、「栃木の若きカリスマ」として復活を果たす。その後は、この技術を引っ提げて東京で起業。全国展開に成功すると、今度は台湾の「春水堂」を日本に誘致してタピオカブームを起こした。さらに、「スーツに見える作業着」というコンセプトでアパレルに参入し、スーツの売れない時代に「WWS=WORK WEAR SUIT」が異例の大ヒットとなり、「令和のヒットメーカー」という異名をとった。
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