社長でも知らない人多い数字に基づく経営手法
会社を存続、成長させるための財務の見方について解説します(写真:Hirotama/PIXTA)
自社や取引先の経営状態などを把握し、経営戦略に結びつけていくためにぜひ知っておきたい会社の財務。では、どのように見て、どう活用すればよいのでしょうか。750社以上を指導してきた経営者で、新著『99%の社長が知らない 会社の数字の使い方』を上梓した小山昇氏が解説します。
率は低くても「額を確保する」
「業績が何%伸びた」「成長率は何%だ」と、ものごとを「率」でとらえる社長がいます。ですが、会社経営を率だけで考えるのは、間違いです。
売り上げも、仕入れも、経費も、会社はすべて「額」で経営しています。ですから経営は、率ではなく、「額(粗利益額)」で考えるのが正しい。「率が額とどう結びつき、どれだけ率が上がるとどれだけ額が増えるのか」を数字で見ることが大切です。
どれほど粗利益率が高くても、粗利益額が増えずに人件費などの固定費を下回れば、会社は「赤字」です。固定費を上回る「粗利益額」があるから利益が出ます。
A事業とB事業、2つの事業があります。
●A事業…「粗利益率20%、売り上げ1億円」(原価8000万円)
●B事業…「粗利益率5%、売り上げ10億円」(原価9億5000万円)
経営を「率」で考える社長は、「A事業のほうが優良」だと考えます。A事業は粗利益率が高く、B事業は「原価が高い割に粗利益率が低い」からです。ですが、「額」で計算してみると、その考えは間違いであることがわかります。
●A事業の利益額…2000万円
●B事業の利益額…5000万円
経営を「額」で考えれば、会社に貢献しているのはB事業です。したがって、「A事業よりもB事業に力を入れる」のが正しい経営判断です。
粗利益率や利益達成率がどれだけ上がろうと、「現金」(=額)がなければ、社員に給料を払うことはできません。経営における正しさとは「率を上げること」ではなく、率は低くても「額を確保する」ことです。
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