Pages

Sunday, October 31, 2021

冬期の電力不足問題について(大場紀章) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース

世界各地でエネルギー価格が高騰したり、停電が起きたりしている中、日本も次の冬に電力不足に陥る可能性があるとされていて、私も何がしか書かねばと思ったりするのだが、今問題が起きている海外のエリアのほとんどは、ある程度エネルギーを自給していて、その供給に課題があるために起きている問題であり、最初からほとんど全てを輸入している日本は、価格の上昇こそあれ、同じレベルで電力不足の問題が起きるわけではないので、一律には語れない。

この問題はエネルギーの問題と言うよりは、むしろビジネスあるいは政治の闘争としての制度設計の問題である。その意味において、制度を作る政府側にその責任があるといえるのだが、電力システムが自由化された今、法律上は電力の供給の最終的な責任者は電力事業者でも政府でもなく、誰もいないので、誰のせいとも言い難いのも現実だ。

再生可能エネルギーが増えてきたために、火力発電の稼働率が下がり、採算が悪くなって撤退してしまい、電力が不足すると言うロジックがあるが、それは結果であって原因ではないように思う。それは、再生可能エネルギーは、固定価格買取制度によって増やすべくして増やされたものなので、それに対応して電力が安定的に供給されるように制度設計をするのが、本来のあり方だろうと思うからだ。

簡単に言ってしまえば、供給力を確保するための容量メカニズムがない状態で自由化を進めてしまったのがその原因なのだが、日本に導入されているそれ(容量市場)さえあれば必ずしも供給が担保されるとは限らない。

政府の委員会では、発電事業者にあまりにきつい供給義務を課すと、コストがかかり過ぎて余計に撤退してしまうのではと言う議論がなされているが、そもそも自由に参入して撤退して良いと言うのが自由化の本質なので、本末転倒に思う。

誰も、ちゃぶ台をひっくり返すことができなくなってしまい、取り繕うしかないのが、今の日本の制度設計の現実なのだなと思うが、私からは何も言うことができない。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( 冬期の電力不足問題について(大場紀章) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
https://ift.tt/3vZoD4u

No comments:

Post a Comment