
* * * ■松岡宗嗣さん(27)/「fair」代表理事 規範を疑い、敏感であるために 性的マイノリティーに関する情報を発信する「fair」で活動しています。私自身が、ゲイの当事者でもあります。 ジェンダーやセクシュアリティーに関する生きづらさを感じるのは、ずっと「自分のせい」だと思っていました。そうではなく、社会から「自分のせい」だと思い込まされていたのだと気づけたのは本との出合いが大きかったと思います。私自身も情報発信の中で、誰かを周縁に追いやっていないか、怖さを感じています。規範を疑い、敏感であるためにも、本は必要です。 『しあわせなおうじ』は、個人や社会にとっての「幸せ」とは何か、描かれる「美しさ」に心動かされつつも疑い、自分自身の特権性、支援や分配のあり方を考えさせられる物語です。『差別はたいてい悪意のない人がする』は、差別の問題に「見えない」「気づかない」で済む特権という視点から自分自身の認識を疑い、どう公正な社会を目指せるかを考えるための一冊です。 【私の両極本】 物語から疑う 『しあわせなおうじ』オスカー・ワイルド原作/フレーベル館 理論から疑う 『差別はたいてい悪意のない人がする─見えない排除に気づくための10章』キム・ジヘ著/大月書店 『LGBTを読みとく―クィア・スタディーズ入門』森山至貴著/ちくま新書 『海をあげる』上間陽子著/筑摩書房 『誰のために法は生まれた』木庭顕/朝日出版社
■吉田大助さん(44)/書評家・ライター ベターな人生のために不可欠な営み 人間は言葉によってできていると思います。自己を構成している言葉を再検証して適度に入れ替えたり、他者や世界を把握する際に当てはめる新たな言葉を手に入れたりすることは、よりベターな人生を送るために不可欠な営みなのではないかな、と。単に言葉を仕入れるだけでなく、その言葉の使い方を取り入れるには、物理的な文字によって構成された本を読むことが一番効果的だと思っています。 山本文緒著『ばにらさま』は、「あなたは他者の内面の広がりを、あまりに低く見積もっていないか?」と突きつけられる短編集。遺作となった本書、特に第三編「菓子苑」からは一生忘れられない衝撃を得ました。 一方、津村記久子著『ディス・イズ・ザ・デイ』は、「あなたは自分の内面の広がりを、あまりに低く見積もっていないか?」と突きつけられる連作短編集。まだ知らない自分に出会うスイッチはきっと、そこら中にあるんです。 【私の両極本】 「他者」に出会う 『ばにらさま』山本文緒著/文藝春秋 「自分」に出会う 『ディス・イズ・ザ・デイ』津村記久子著/朝日文庫 『君の顔では泣けない』君嶋彼方著/KADOKAWA 『ペッパーズ・ゴースト』伊坂幸太郎著/朝日新聞出版 『正欲』朝井リョウ著/新潮社 ■マシュー・チョジックさん(40)/タレント、俳優、出版社経営 おかげで僕は読書ざんまい! 本は僕にとっては酸素かな。自分と違う人生を経験してきている人々の内面や意識、発想を追体験できる「何よりもすごいもの」。しかも安い! 自分のラッキーな人生は本当に本のおかげです。 小説も大好きだけど、最近はビジネスや経済学系の本の気分だったから、こういう5冊になりました。僕は英語のほうが速く読めるから原書で読んだけど、和訳が出ているので読んでみてくださいね。 『ご冗談でしょう、ファインマンさん』はノーベル物理学賞を受賞した博士のユーモラスなエッセイ集。ストレートには書かれてないけれど、「“好奇心”こそがこの世でもっとも大切である」ことを、楽しく教えてくれます。四六時中、仕事と向き合って人生をエンジョイするファインマン博士とは真逆で、『「週4時間」だけ働く。』は21世紀型の究極のワーク・ライフ・バランス。アドバイスで仕事の効率が劇的に上がる。おかげで僕は読書ざんまい! 【私の両極本】 四六時中仕事と向き合う 『ご冗談でしょう、ファインマンさん』リチャード P. ファインマン著/岩波書店 究極のワーク・ライフ・バランス 『「週4時間」だけ働く。』ティモシー・フェリス著/青志社 『反脆弱性:不確実な世界を生き延びる唯一の考え方』ナシーム・ニコラス・タレブ著/ダイヤモンド社 『資本主義リアリズム』マーク・フィッシャー著/堀之内出版 『不滅』ミラン・クンデラ著/集英社
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