販売計画の下振れが部品会社の業績を直撃
日産の業績だけがよくなっても盤石とはいえない(撮影:今祥雄)
「将来のことよりも、まず足元の車を計画どおりに造ってくれと言いたい」。
日産自動車が2021年11月に電動化の長期ビジョンを示す中、ある日産系部品メーカー幹部は吐き捨てるようにそう言った。
生産拠点の閉鎖や開発車種の絞り込みなどでコスト削減が進んだ日産は、2022年3月期に3期ぶりに黒字化する見通しだ。
2021年11月に半導体不足などによる生産停滞の影響から、販売台数計画を60万台引き下げた(年間計画は380万台)ものの、最終利益予想は1800億円と従来の3倍に引き上げた。これは、新型車の投入や在庫逼迫で販売奨励金の削減が進んだこと、フランスのルノーなどの持ち分法投資利益が増えたことが大きい。
赤字に転落する部品会社も
もっとも、販売奨励金の削減効果などは自動車メーカー特有のもの。部品メーカーは、日産の販売計画の下振れが大きく響いている。
2021年9月期の中間決算では、日産を主要取引先とする上場部品メーカー7社のうち6社が202年3月期の通期予想を引き下げた。うちユニプレス、日産車体、河西工業は黒字予想から一転、営業赤字に転落する見通しだ。
なぜ、日産と部品会社の間で大きな違いが出るのか。
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