ニューヨーク(CNN Business) ジェット機保有数世界1位の航空機リース大手、エアキャップ・ホールディングスは19日までに、ウクライナ戦争を機に発動された制裁への対抗措置としてロシアが機体接収に動いたため、保有機材計113機を失ったと明らかにした。
ロシア当局が航空機とジェットエンジン11基を差し押さえたことで、同社は1~3月期に27億ドル(約3480億円)の税引き前費用を計上。これがなければ5億ドルの黒字だったが、20億ドルの赤字決算となった。
ただ、同社幹部は今四半期の状況は良かったと述べ、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で打撃を受けた世界の航空需要が引き続き回復するなか、今後の見通しは明るいとしている。
同社はロシア当局に接収される前にジェット機22機とエンジン3基を回収することに成功。失った航空機については保険金を請求したものの、請求の一部はロシアの保険会社に対して行われた。こうした保険は西側の再保険会社でカバーされているものの、補償を受ける時期や金額は未定だという。
エアキャップ社が保有する航空機の数は計1624機に上り、あらゆる航空会社が単独で保有または運航する機体の数をはるかに上回る。同社はパンデミック中、ゼネラル・エレクトリック(GE)傘下の競合リース企業GECASを買収して規模を拡大しており、ロシアに接収されたジェット機が同社保有機材の正味価値に占める割合は5%以下にとどまる。
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