データ事業を柱としていく新経営方針を打ち出した東芝の島田太郎社長CEO。新社長として成長戦略を示したばかりだが、利害の異なる多くの株主の理解を得つつ、株式の非公開化を含めた資本政策を早速検討しなければならない。難しい舵取りをどう担うのか。島田社長を直撃した。
東芝の島田社長は東洋経済のインタビューで「大切なことは、自分たちが何者で、どう変われるのか、会社としてどう成長できるのかを、堂々と信念を持って言うこと」と語った(撮影:梅谷秀司)
――東芝は3月末まで会社分割案を検討していました。それとは内容がまったく違う島田社長の新方針は唐突だと思われていませんか。
確かにこれまで東芝は、デジタルを軸に成長するストーリーを前面に出してこなかった。準備していたものの、実現するには時間を要するとわかっていたからだ。ヘッジファンドの人たちには「そんな夢みたいな話」とすぐ言われてしまう。だから温存していた。
この3年間で東芝は、利益率の悪い事業の切り離しや固定費削減などを着実にやってきた。同一事業で比較すると、われわれは最高益の状態にある。会社の状態はものすごくいい。その中で「この先もすごいぞ」と言うためには、隠し球を出すしかないと判断した。
これまでの東芝は「二者択一」をしてきた
――分割案はどうみていましたか。
資本の論理から考えると理解できる部分もある。ただ、会社を分割するにはコストがかかりますよね。これに対して、株主がどう反応するかが重要だったと思う。3月の臨時株主総会に諮った結果は否決であり、かつ株価は下がった。
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