日本製鉄はカナダの大手資源会社が設立する石炭採掘会社に、およそ1100億円を出資すると発表しました。脱炭素につながる次世代の製鉄技術に欠かせない、高品質の石炭を確保するねらいがあります。
鉄鋼業界は、産業界の二酸化炭素の排出量のおよそ4割を占めることから脱炭素への対応が大きな課題で、排出量の削減に向けて、水素を使った次世代の製鉄技術の開発が進められています。
ただ、技術の活用には鉄の生産過程でより品質の高い石炭が必要で、日本製鉄はこうした石炭を確保するためにカナダの資源大手、テックリソーシズが設立する石炭採掘会社に出資することを決めました。
発表によりますと、およそ1100億円を出資し、株式の10%を取得することにしていて、出資を通じて安定的な調達につなげたいとしています。
会社では脱炭素に向けて、
▽水素を使った製鉄技術や、
▽電気の熱で鉄くずを溶かす技術、
それに▽排出された二酸化炭素を地中に埋めたりする技術を組み合わせることで、2050年までに排出量を実質ゼロにすることを目指しています。
日本製鉄の廣瀬孝副社長はオンラインで開かれた会見で「カーボンニュートラルの実現に向けた技術を他国に先駆けて開発することに挑戦し、総合力世界ナンバーワンの鉄鋼メーカーを目指したい」と述べています。
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