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Sunday, April 23, 2023

危ない交差点ランキング 2021!なぜ交通事故が多発する? - くるくら

日本損害保険協会は、毎年、都道府県ごとに人身事故の多い交差点をまとめた「全国交通事故多発交差点マップ」をウェブサイトで公開している。その中から2021年の危ない交差点ワースト3を取り上げ、Googleストリートビューを活用して交差点それぞれの特徴を観察し、事故要因、予防策を考えてみた。

全国交通事故多発交差点マップとは

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渋谷スクランブル交差点。「世界一混み合う交差点」と呼ばれる交差点だが、交通事故多発交差点にはランクインしていない。(c)SeanPavonePhoto - stock.adobe.com

 「全国交通事故多発交差点マップ」は、日本損害保険協会と全国の地方新聞社が協力して毎年発表しているデータ。都道府県ごとに人身事故の多発する交差点をまとめてウェブサイトで掲載している。

 警察庁の統計によると交通事故の約56%は、交差点および交差点付近で発生しているという。交差点では、歩行者、自転車、クルマなどが行き交うため、事故が発生しやすいことは想像に難くない。しかし、事故が多発する交差点としない交差点があるということは、そこには何か要因があるはずである。そこで本記事では、Googleストリートビューを活用し、交差点それぞれの特徴を分析し、事故要因、予防策を考えてみたい。

危ない交差点ランキング(2021年版)

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全国交通事故多発交差点ランキング(2021年版)。 出典=日本損害保険協会

 まずは、2021年に人身事故が多発した「交通事故多発交差点ワースト10」を見てみよう。2021年に日本一交通事故が多かったのは、東京都の大原交差点だ。

 ランクインした10か所のうち4か所が大阪府の交差点。3か所が東京都の交差点と、大都市の交差点が多い。このことから交通量が多いことも事故発生に関係があるだろう。それぞれの交差点はどのような状況になっているのだろうか。ワースト5の交差点について分析してみよう。

【危ない交差点ワースト10】
1位:東京都 大原交差点
2位:東京都 池袋六ツ又交差点
3位:大阪府 阪和豊中交差点
   大阪府 梅新東交差点
5位:東京都 四谷四丁目交差点
   大阪府 瓜破交差点
7位:沖縄県 渡口交差点
8位:愛知県 中島橋西交差点
   大阪府 梅田新道交差点
   兵庫県 中央町交差点

ワースト1 東京都・大原交差点の危険ポイント

 ワースト1の東京都・大原交差点は、東西に甲州街道、南北に環七通りが交差する大きな交差点。同協会によると、ここでは前方の安全不確認や、停止中のブレーキ踏み込み不十分による追突事故が発生しているという。

 ストリートビューで東京都・大原交差点を見てみよう。甲州街道は片側2車線で、首都高4号新宿線の高架に寄り添うように走る通り。交差点内に、高架道路の橋脚があり、交差道路と対向車線に対する見通しが悪い。

 ここでは朝夕の時間帯に渋滞が発生していることが多いという。そのため前車の動向に注意を払い、十分に車間距離をとっておかないと追突や接触の危険性があるだろう。

 また、甲州街道(4車線)から環七通り(6車線)へ進入する際に、どの車線に向かえば良いか分からないなど、さまざまな理由で直前に車線変更をするドライバーがいると想像できる。

 さらに、交差点の4つ角すべてに横断歩道があることにも注目したい。横断歩行者がいる場合、前車が急停車するということも考えられるだろう。

ワースト2 東京都・池袋六ツ又交差点の危険ポイント

 ワースト2となった東京都・池袋六ツ又交差点は、明治通り、春日通り、音羽池袋線、池袋谷原線などが交わる六差路交差点。ここでは、左右の安全確認不十分による出会い頭事故が発生しているという。

 ストリートビューで東京都・池袋六ツ又交差点を見てみよう。6つの道路が交錯しているだけでなく、首都高5号池袋線と国道254号の高架が交差点の上に走っていて、それらの橋脚が交差点の視界の妨げとなっていることが分かる。

 また、交差点自体が大きく屈曲している構造のため、どのルートを進めばいいのかとても分かりづらい交差点だ。対向車の進路が予想しづらいため安全確認を十分にすることが必要だろう。

ワースト3 大阪府・阪和豊中交差点の危険ポイント

 大阪府・阪和豊中交差点は、国道26号と市道(はなみずき通り)が交差する交差点。ここでは前方の安全不確認や、前車に対する動静不注視による追突事故、右直事故が発生している。

 ストリートビューで阪和豊中交差点を見てみよう。国道26号は最大で片側4車線となる大きな通り。大阪南部を縦断する主要幹線道路であることから、1日を通して交通量は多いという。

 国道26号から市道へ右折しようとすると、対向路線が4車線あるため、交通量が多いとなかなか右折することができないのだろう。信号機にはそれぞれの車線専用の信号機が設置されている。

 ここで対向車の確認をおろそかにして、前車に続いて右折しようとすると、前車の急停止などによる追突事故や、対向車との右直事故が発生する可能性がありそうだ。

 また、交差点付近に飲食店の駐車場出入口がいくつかあることにも注目したい。飲食店に出入りする車の動向にも十分に注意する必要があるだろう。

ワースト3 大阪府・梅新東交差点の危険ポイント

 大阪府・梅新東交差点は、東西に国道1号と南北に国道423号が交差する四差路交差点。歩道橋が架かっているので、歩行者の横断は東西横断歩道のみとなっている。ここでは、前方安全不確認による前方車両への追突事故などが発生しているという。

 ストリートビューで梅新東交差点を見てみると、交差点の四隅に歩道橋の階段および橋脚が設置され、特に南東の角は駐輪防止柵もあるため見通しが悪い交差点となっている。対向車や左折先の状況が分かりづらく、前方の車が急停車する危険性があるため、しっかりと車間距離をとり、前車の動静を注視する必要がある。

 また、同交差点では左折時の事故も発生している。国道1号東側は、片側5車線のうち2車線が左折専用車線で常時左折可となっている。しかし、歩道橋にスロープが無いので、歩行者は分離されていても、自転車は分離されていない。左後方からに直進してくる自転車を巻き込んでしまう危険性があるので注意が必要だろう。


 交通事故が多発する交差点は、交通量が多く構造が複雑である、車線数が多く交差点の面積が広い、交差点の四隅に高架の橋脚などの障害物があるなど、同ランキングの常連となる理由が存在していた。身近な常連交差点をチェックし、ストリートビューなどを活用して運転前に交差点の構造を確認しておくだけでも運転時に戸惑わなくて済むだろう。特に初めて運転する交差点では、周囲の状況に気を配り、常に危険を想定した運転を心がけたい。

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