JEGTでは人の目でほんのわずかな違反も見逃さない
グランツーリスモの大会として国内最高峰を誇るJEGTトップリーグでも、レース結果を大きく左右することのあるペナルティ。
eモータースポーツもリアルモータースポーツ同様のルールが設定されていて、厳格に運用されている。
実車でのレースはルールがないと命のリスクもあるが、グランツーリスモを始めとするeモータースポーツではドライバーやマシンに物理的な危険はない。
しかし、ドライバー自身にリスクがないからこそ公正さを保つために、実車のレース同様のルールをより厳格に運用している。
ルール違反をすると、ペナルティを課せられて順位が後退するばかりか、レースそのものを楽しむことができなくなってしまうので注意したい。
そこで今回の「グランツーリスモ初心者のためのモータースポーツ講座」では、レースで違反を取られやすいルールについて詳しく解説しよう。
なお、JEGTではレースの公平性をより高い水準で保つため、グランツーリスモの機械判定ではなく審判員による目視判定を導入している。
ホワイトラインカット
ピットアウト時にホワイトラインをカットしてコースに戻ると後続車と接触する危険がある
ピットイン、アウト時に通るコース上からピットレーンにかけて引かれている白線（ホワイトライン）を超えてしまうと違反となる。
また、ホワイトラインカットは比較的大きなペナルティが課されるので注意したい。
通常の周回ラインを外れてピットインをする際は、他車と接触する危険が高まる。
特にピットアウトでは、レーススピードで走るクルマに合流するため、ラインが交錯すると大事故に発展しかねない。
また、ピットレーンにはコンクリートウォールもあるため、ホワイトラインはしっかりと守って走行したいところだ。
グランツーリスモでは、クラッシュをしても危険はないが、他車に大きな迷惑をかけてレースにならなくなってしまう。
ピットイン時には他車と交錯しないよう、ホワイトラインを跨がないよう細心の注意を払いたい。
トラックリミット違反
シケインでは特にトラックリミット違反に気をつけたい
トラックリミット違反は、名前の通りコースの制限外の場所を走行する違反。
「4脱（4輪脱輪の略）」とも言われるように、4輪が完全にコース外に出た場合に違反とされる。
シケインや縁石の低いコーナーでショートカット走行をして、有利になることを防ぐ。
トラックリミット違反は実車のレースでも取られることがあるが、実車の場合は縁石への乗り方によってはクルマにダメージを負うこともあるためドライバー自身が自重する面もある。
しかし、eモータースポーツは仮に縁石に大きく乗り上げても、車体そのものにはまったく影響がない。
しかも、グランツーリスモでは縁石をギリギリまで使うこともテクニックの一つのため、トラックリミット違反は比較的取られやすいペナルティだ。
他車接触ペナルティ
他車に接触して押し出してしまうとそもそもレースとして成立しなくなる
レース中に他車に接触すると課せられるペナルティ。
実車のレースであれば、他車への接触は妨害になるばかりか命の危険をともなう事故につながりかねない。
eモータースポーツの場合は他車に接触してもクルマやドライバーはダメージを負わないが、大きなペナルティが課せられる。
ペナルティが自動判定となるオンラインレースでは、実際に接触しない限り違反にはならない。
しかし、審判員による厳格な判定を導入しているJEGTのような大会では、実際に接触が起こらない幅寄せなどでも違反と裁定されることもある。
レースを楽しむためにはマナーとしても違反をしないことが大切
バトルに夢中になるとつい違反をしてしまうので注意したい
ルール違反をすると、自動判定のオンラインレースでもペナルティによってタイム加算される。
しかし、ペナルティが課せられるから違反をしないようにするのではなく、レースに参加するほかのプレイヤーへのマナーとしてルールを守る意識が重要だ。
たとえば、他車に接触してコースアウトさせた場合、ペナルティを課せられる違反車はもちろん、相手もレースにならなくなってしまう。
レースにアクシデントは付きものだが、マシンの破損や怪我の恐れがある実車同様に違反には最大限の注意をしてレースに臨みたい。
また、ゲームだからと気軽に違反行為をしていると、マシンの挙動や映像がリアルに描かれるグランツーリスモの良さが台無しになってしまう。
対戦相手の顔が見えるJEGTや多くのeモータースポーツの大会だけではなく、デイリーレースやロビーといった相手と顔を合わせることのないオンラインレースでも、ルールを守って最高のレース体験をしてほしい。
Text： 渡邉 篤
ペナルティによる順位変動もあった JEGT2022シリーズ ROUND3 配信アーカイブ
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