男性の育児休業取得率ランキングで1位になった高島屋(撮影:今井康一)
「子育ては女性の役割」という時代は終わりつつある――。価値観が多様化する中で、男性も育児に参加することが求められ、企業も育児休業制度を整備するケースが増えている。
さらに2022年10月からは、男性が子どもの生後8週間以内に最大4週間の育児休業を取得できる「出生時育児休業(産後パパ育休)」がスタートした。上場企業等は2023年3月期以降の有価証券報告書で男性の育児休業取得率を開示することが求められている。
そこで『CSR企業総覧』編集部では、男性の育児休業取得率ランキングを作成した。対象は2021年度の同取得率を回答している610社で、比率が高い順に100社をランキングした。取得率は新規育児休業取得者数を育児休業取得可能者数で割って算出。そのため、対象者や取得時点の定義の違いで100%を超える場合や、ある年だけ比率が一時的に高くなるケースがある。
対象企業全体での男性の育休取得率は3割
小売業の代表格である高島屋(取得率230.6%、以下同)、丸井グループ(136.4%)は取得率が非常に高い。高島屋は男性取得率100%を推進。過去3年右肩上がりで取得者数が増えている。丸井グループは、厚生労働省の「プラチナくるみん」認定を取得する子育てサポート企業のひとつだ。過去3年取得率が100%以上と、高い水準をキープしている。
育児用品大手のピジョン(133%)も、男性社員を対象とした1カ月間の育休制度「ひとつきいっしょ」を導入し、取得推進に取り組む。そのほか、上位にはマンダム(126.3%)やTOPPANエッジ(118.8%)などここ数年で取得率を大きく改善させた企業も目立つ。
銀行、保険業など女性の進出が進む金融業種で平均取得率が高いことが特徴のひとつだ。一方で電力の関西電力(120.5%)、建設の積水ハウス(100%)など業種平均はそれほど高くないが、個別に育児休業を推進している企業もある。
対象企業全体でいっても、男性の育休取得率は3割を超える。こういった状況をみると、男性の育児参加が徐々に本格化しているという見方ができるだろう。
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