近畿地方整備局と阪神高速道路会社は、神戸市の東灘区と長田区を結ぶ大阪湾岸道路西伸部(延長14・5キロ)のうち、六甲アイランド(東灘区)とポートアイランド(中央区)間の海上部に架ける長大橋の基本構造を決めた。学識経験者らでつくる技術検討委員会(委員長・藤野陽三城西大学学長)の審議を踏まえ、主塔の基礎先端位置や橋桁と主塔の形状、景観に配慮した色彩を選んだ。橋梁形式は連続鋼斜張橋を選定しており、同社は西側と東側に分けて斜張橋工事を発注する予定だ。
大阪湾岸道路西伸部は東灘区向洋町東の六甲アイランド(六甲アイランド北IC)からポートアイランドを通り、長田区西尻池町に至る。陸上部、海上部とも大半が橋梁となり、公共事業と有料道路事業(阪神高速会社)の合併施行方式を適用した。
基本構造が決定したのは新港、灘浜両航路を通る世界最大級の連続斜張橋。形式は7径間連続4主塔鋼斜張橋を採用する。橋長は2739メートル。航路を避ける形で主塔を設置し、斜張橋を建設する。航路部などの支間長は653メートル。橋桁の代表断面は上下線とも幅が16メートル、高さが2メートル。主桁は鋼桁、主塔は鋼製主塔、主塔基礎は鋼管矢板基礎とする。新港航路側の3P主塔の高さは213メートル。基礎部から70メートルの位置に橋桁を設置する。
主塔の基礎は地盤の載荷試験や土質調査の結果、想定よりも軟弱なことが判明し、鋼管矢板基礎の施工性なども考慮して、基礎先端位置を当初よりも最大20メートル深くする。灘浜航路側では海面から68メートルを設定し、支持力を得られることを確認した。大規模地震に対する主塔や橋桁の耐震性、大型台風などによる耐風性も確認した。
主塔のデザインは「神戸の都市景観との調和」「シンボル性」「走行空間からの眺望性・演出性」などに着目し、構造性能を踏まえて塔頂部や充腹部、横梁の形状などを選定した。色彩は路線全体で統一することにしており、景観との調和やシンボル性の高い現代的な構造物であることから明るくモダンな印象になるベージュ系を基軸とした色相とする。
本年度に発注手続きを始めるのは「新港・灘浜航路工区(西)鋼斜張橋工事」と「同(東)鋼斜張橋工事」の2件。設計交渉・施工タイプを採用し、単体または最大10者による特定JVが参加できる。各工事とも鋼主塔工2基、ケーブル工、鋼桁工、鋼製橋脚工などを施工する。
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