今回は、前回に引き続き「プレコン・チェックシート」(女性用)の中から2項目を抜粋して、情報共有したいと思います。
〇持病をチェックしよう
慢性疾患を持っている女性の場合、妊娠によってその疾患が悪化することがあるため、妊娠してもいいか、主治医の先生に確認しておく必要があります。
一方で、日頃服用している薬剤が妊娠中は使用できない場合があるため、妊娠した際の治療法についても、あらかじめ主治医とよく打ち合わせをしてきましょう。
例えば、高血圧症の治療薬として「レニンーアンジオテンシン系阻害薬」を使用している場合、胎児へ悪影響を及ぼす可能性が知られているため、妊娠を計画し始めた段階で、他剤への切り替えを検討することが望まれます。
また、女性に多い甲状腺機能亢進症に用いる抗甲状腺薬には、妊娠初期の服用で胎児への悪影響が知られている薬剤(チアマゾール)があります。その場合、妊娠初期には比較的胎児への影響が少ない薬剤(プロピチルオウラシル)に切り替えることもあります。
尚、妊娠する前には持病がある事に気付かず、妊娠してから発覚するケースも少なくありません。このような事態を防ぐために、日頃から定期的に健康診断を受け、妊娠前に「ブライダルチェック」されることをお勧めします。
〇性感染症から自分を守ろう
性感染症の中には、不妊の原因になるものや、妊娠中・出産の際に赤ちゃんへ感染するものがあります。
最も感染者が多いクラミジア感染症は、卵管炎などを起こして不妊や異所性妊娠の原因になることが知られています。
また、経腟分娩の際、産道に尖圭コンジローマや性器ヘルペスの病変が存在していると、産道を通って出てくる赤ちゃんに感染し、重篤な状態になってしまう危険性があります。
最近急増している梅藤に至っては、妊娠中に胎盤を通して病原体が赤ちゃんに感染し、流早産や死産のリスクが高まります。
これらは妊娠前に治療することが大切ですが、自覚症状がなく妊娠してしまうことも少なくありません。「ブライダルチェック」で性感染症の有無を確認することも大切ですが、妊娠を考える前にできる予防、例えば「性行為の際には適切にコンドームを使用する」、「尖圭コンジローマ予防のためHPVワクチンを積極的に接種する」といった行動が重要です。
将来の妊娠や生涯の健康のためには、ご自身の現状を知ることが大事です。
慢性疾患がある方は妊娠に関して主治医と相談し、持病のない方は定期的に健康診断を受ける事をお勧めします。
尚、パートナーがいらっしゃる方は、二人で将来の妊娠・出産・ライフプランについて話し合うようにしましょう。
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