一般的に中古マンションは新築と比べて、価格が安いのが魅力です。しかし、一口に中古といっても、物件によって特徴は大きく異なるため価格にも差が生まれます。
今回は中古マンションを安く買うためのポイントと注意点について、さまざまな角度から見ていきましょう。
価格が安くなるマンションの特徴とそれぞれの注意点
マンションの価格は、人気のある特徴や条件を兼ね備えているほど高くなるのが一般的です。反対に、価格が安いということは、人気の物件と比べて何らかの弱点を持っていると考えておく必要があります。
しかし、一般的には弱点となるような部分でも、人によっては特に気にならないケースは少なくありません。この場合、気にならない人にとっては、価格の安い「お買い得物件」が見つかるチャンスがあるということです。
安くマンションを手に入れるなら、「一般的には弱点として扱われているものの、自分にとっては気にならない」というポイントを上手に見つけるのが近道といえるでしょう。
ここからは、マンションの価格が安くなるポイントとそれぞれの注意点について紹介します。
1. 立地の利便性が低い
立地はマンションの価格を大きく左右する部分です。一般的に、以下のような立地にあるマンションは、似たような条件を持つ物件に比べて価格が安くなる傾向にあります。
・駅までの徒歩所要時間が長い ・生活利便性が低い ・都心から離れた地方 ・最寄駅に快速列車が止まらない |
交通アクセスは、通勤・通学の利便性に大きな影響を与えることから、重視されることが多いポイントです。
しかし、リモートワーク中心の人や車での移動が苦にならない人にとっては、交通利便性の低い立地に立つマンションはお得に購入できる物件である可能性が高くなります。
注意点
立地の利便性の低いマンションを購入するときには、資産価値の低下に気をつける必要があります。
特に、将来的に売却や賃貸に出す可能性がある場合は、利便性の良いエリアと比べてはるかに難易度が高くなってしまうので注意が必要です。
また、「車を手放す可能性」や「子どもの進学」など、ライフスタイルの変化も踏まえて検討することも大切です。
2. 専有面積が狭い
基本的な条件が同じなら、専有面積が狭いマンションの方が価格は安くなります。
「子どもが手を離れたためそれほど広さが必要ない」「荷物が少ないので収納はそれほどいらない」といった人は、通常よりも有利な条件で物件を探せるでしょう。
注意点
子育て世帯の場合は、子どもの成長に応じて必要な広さが増えていく点も意識しておく必要があります。
また、単身世帯やDINKS(子どものいない共働きの夫婦世帯)などでコンパクトなマンションを探す際には、住宅ローン控除の利用条件(原則として床面積50平米以上)も確認しておきましょう。
3. 災害リスクがある
ハザードマップで浸水リスクがある土地や土砂災害警戒区域に指定されている土地などは、エリア一帯の物件が通常よりも安い価格で取扱われています。
注意点
災害リスクは自身や家族の安全はもちろん、物件の資産価値を守るうえでも重要なポイントとなります。
特に、浸水リスクが高いエリアでは、少なくとも「低層階の物件は避ける」「万が一の際の避難ルートを細かく確認しておく」など、最大限の注意が必要です。
また、土砂災害警戒区域にある中古マンションを購入する場合は、建物の損壊リスクや住宅ローン審査への影響も意識しておく必要があります。
詳しい内容は以下の記事でも解説されているので、参考にしてみてください。
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4. 日当たり・眺望に優れない
マンションでは日当たりや眺望の良さも人気の条件となります。そのため、以下のように日当たり・眺望を悪化させる条件に該当すると、立地や広さの割に価格が安くなることがあります。
・目の前(特に南側や東側)に高い建物がある ・低層階の部屋 ・近隣で大規模な建設計画がある |
注意点
日当たりについては、日中に外出しているので気にならないという人も少なくありません。
また、南向きの高層階は夏に暑くなりすぎるなどのデメリットもあるので、日当たりの良さが必ずしもメリットのみをもたらすというわけではありません。
ただし、住んでから「部屋に湿気がこもりやすい」「周囲から部屋の内部が見えてしまう」などが気になるケースはあるので、日当たりや階数の影響については十分に情報収集しておきましょう。
5. 管理状態が悪い
専有部分のキズや汚れ、設備の老朽化などが目立つ場合は、当然ながら価格は安くなります。
また、共用部分についても管理状態が優れない場合は、買い手が見つからずに通常より価格が安く設定される場合があります。
注意点
「マンションは管理を買え」と言われるほど、管理状態はマンションの寿命や住み心地に関わる重要なポイントです。
長く住み続けることを考えると、管理状態は特に優先度の高い項目となるため、なるべく妥協せずに見極める必要があります。
また、管理状態が悪いマンションは修繕積立金の管理が不十分で、積立額が必要な金額に達していないというリスクも高いです。
そうなれば、入居後に修繕積立金が高額になってしまう可能性もあるため、トータルコストを考えると必ずしもお得とはいえないこともあります。
6. 築年数が古い
マンションの価格は築年数によって異なります。築年数が古い場合、建物の経年劣化が進んでいるため、立地や広さの割に価格が安くなりやすいです。
たとえば、公益財団法人東日本不動産流通機構が調査した2022年1月~3月のデータによれば、首都圏のマンションにおける築年数別の平均成約価格は次のようになっています。
築年数 |
平均成約価格 |
~築5年 |
6,486万円 |
~築10年 |
6,083万円 |
~築15年 |
5,358万円 |
~築20年 |
5,045万円 |
~築25年 |
4,109万円 |
~築30年 |
2,782万円 |
築30年~ |
2,108万円 |
マンションの価格は、築20~25年あたりを超えると下げ止まりになる傾向があり、それ以降は値崩れが起こりにくい性質を持っています。
そのため、価格の面で考えれば、築20~25年がお買い得なタイミングといえるでしょう。
注意点
築年数が経過した物件に目を向ける際には、1つの軸として「1982年(昭和57年)」以降に建てられているかどうかを意識しておくのがポイントです。
その理由として、「1981年6月を境に耐震基準が大きく改正されている」という点が挙げられます。マンションは耐震基準によって、寿命や建替えの可能性などが大きく変化します。
また、住宅ローン控除の利用についても「1982年(昭和57年)以降に建築または現行の耐震基準に適合」が条件の1つとされているので、注意しておきましょう。
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値引き交渉を検討してみるのも1つの方法
マンションを安く買うという観点で言えば、状況に応じて値引き交渉を検討してみるのも1つの方法です。
中古マンションの価格として記載されているのは、あくまで「売り出し価格」なので、交渉によって安くしてもらえるケースもあります。
ここでは、値引き交渉のコツや注意点について見ていきましょう。
値引き額の相場
値引き額は、一般的にどれだけ大きくても全体の1割程度までとされています。
ただし、もともとの価格が高いマンションでは、値引き額も大きくなるため、上限がもう少し下がると考えておきましょう。
また、物件価格2,740万円を2,700万円にするといった10万円台までの端数切り捨てであれば、比較的現実的な値引き額として応じてもらえる可能性があります。
値引き交渉のコツ
トラブルを避けるために、値引き交渉は基本的に不動産会社の担当者を通じて行います。そのため、まずは担当者に予算の事情などを細かく相談しておくことが大切です。
また、売主側の事情によって交渉の難易度は大きく変わります。
たとえば、「なかなか買い手が見つからず、内覧希望者も久しぶりに現れた」「急な遠方への転勤で早く手放さなければならない」などといった事情があれば、通常よりも値引きに応じてもらえる可能性は高くなるのです。
そのため、可能であれば不動産会社の担当者に、売主の状況をそれとなく尋ねてみるのもいいでしょう。
値引き交渉を行うときの注意点
人気のある物件では、ほかに購入希望者が見つかる可能性が高いため、交渉に応じてもらえないケースが多いです。
また、あまりにも無理のある値引き交渉を行えば、購入自体を断られてしまうリスクもあるので注意しましょう。
中古マンションは売主も買主も個人であるケースが多いので、交渉をする場合は売主側の感情も尊重して、誠実な態度で向き合うことが大切です。
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記事のおさらい
安いマンションの特徴は?
マンション価格が相場よりも安い場合、「立地の利便性が低い」「専有面積が狭い」「災害リスクがある」「日当たり・眺望に優れない」「管理状態が悪い」「築年数が古い」など、さまざまな理由が考えられます。購入する際は価格だけでなく、それぞれのデメリットをきちんと理解したうえで、慎重に検討することが大切です。
築年数はどのくらいがお買い得?
マンションに求める価値は人によって異なるため、一概に「築○年がお得」とはいえませんが、価格が下げ止まりになるのは築20~25年あたりです。価格の面から見れば、このあたりの年数の物件がお買い得になる可能性は高いといえるでしょう。
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