[ヒューストン 9日 ロイター] - 米南部テキサス州に猛烈な暴風雨をもたらしたハリケーン「ベリル」の通過後、同州の石油・ガス各社は9日に一部の操業を再開した。ただ、被害を受けた施設があるほか、電力も全面復旧していない。
ベリルによる石油・ガス生産への影響は限定的と予想されている。ベリルは8日、メキシコ湾沿岸のマタゴルダ近郊に上陸。エネルギー各社はベリル上陸に備えて操業を停止したほか、テキサス州の複数の大型港や航行水路が閉鎖された。
9日には一部の港が再開し、大半の企業と施設が生産を回復させつつある。一方、一般家庭や企業向けの電力復旧に時間がかかっており、一部企業の稼働再開の足かせになっている。
米気象予報会社アキュウェザーは、今回のハリケーンに伴う米国の被害と経済的損失が計280億─320億ドルに上るとした暫定推計を発表した。
米停電情報サイトによると、9日時点でテキサス州で約200万件、ルイジアナ州で約1万2000件の顧客への電力供給が途絶えたままだ。
米国立ハリケーンセンター(NHC)は、ベリルが上陸後に急速に勢力を弱め、9日までに温帯低気圧に変わったと説明。ただ、ミシシッピ州中部からイリノイ、インディアナ、オハイオ、ケンタッキーの各州にまたがる地域では、鉄砲水や竜巻が発生する可能性がまだ残っていると警告した。
テキサスは米最大の石油・ガス生産州。
ゴールドマン・サックスはリポートで「これまでのところ、今回のハリケーンで石油生産や精製に深刻な混乱は生じていない。ただ、複数の石油港の閉鎖が続いているほか、大規模な停電が石油需要を圧迫しうる」と指摘した。
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