会社法違反(特別背任)などで起訴された日産の前会長カルロス・ゴーン被告(65)が、国籍があるレバノンに日本から逃亡した事件で、トルコに本社を置く民間のジェット機チャーター会社「MNGジェット」が3日、同社のチャーターサービスが同被告の逃亡に「違法に使用された」と発表した。

ゴーン被告は、昨年12月29日夜に関西空港からプライベートジェット機で日本を出発。同30日早朝にトルコのイスタンブールを経由し、ベイルートに入ったとみられている。MNGジェットは公式サイトで、昨年12月に2つの異なるプライベートジェットを、2人の異なる顧客にリースしていたと明らかにした。

<1>UAEのドバイから大阪に向かい、大阪からトルコの首都イスタンブールに向かうプライベートジェット機

<2>イスタンブールからベイルートへ向かうプライベートジェット機

MNGジェットによると、この2機は同社に所属してはいない機体だったが、運用はしていたという。契約の際の公式文書に、ゴーン氏の名前は一切なく、2機の動きに関連性があるようにも見えなかったという。

その後、報道を通じて、この2機がゴーン被告の逃亡に使われた可能性があると知り、同社は元日に社内で内部調査を実施。その結果、従業員の1人が記録を偽造したことを認めたという。従業員は同社の許可なしに、自身の裁量で独断で動いたことも認めている。同社は、事件の関係者を起訴するための訴状を提出した。

MNGジェットは「当局には積極的に協力しており、会社のサービスを違法使用した人々が正式に訴追されることを望んでいます」とコメントを発表した。