コーラ飲料は世界中どこでも入手可能で多くの人に愛されているが、実は国によって味が違う。米国で飲むコカ・コーラと東欧ジョージア、そして日本で販売されている商品では、レシピや味が異なるのである。ペプシコーラなど他ブランドもフレーバーは大きく異なる。今回は、ジョージア国内で入手可能なコーラ飲料について、フレーバーの違いや、ジョージアで愛されている飲用シーンについて、実際に飲み比べを行った上で紹介する。
炭酸がきめ細かいジョージアのコカ・コーラ
ジョージアで愛されているコーラ飲料には、日本でも入手可能なコカ・コーラ、ペプシコーラに加え、RCコーラがある。それぞれにノンカロリーのものやフレーバーのついたもの、カフェイン配合のエナジー系など、特徴あるラインナップが展開されている。
今回は3ブランドにおいて最も定番のフレーバーについて飲み比べを行った。
ジョージアのコカ・コーラは口に含んだ最初の印象として「飲みやすい」という気がした。なぜだろう…そう思って飲み比べてみると、その違いに気がついた。炭酸がきめ細かいのである。そのため、口内がバチバチと痛みを感じることもなく、繊細な爽快感を得ることができる。甘味は他の2種に比べるとやや控えめ、どこかしらスパイシーな香りがする。
ジョージアのコカ・コーラは日本のそれに比べてやや甘味は控えめ、米国のものに比べると深みのある味がする。「使用している甘味がシロップではなく、ビーツ由来の天然の砂糖だからである」とコカ・コーラフリークのジョージア人は推測している。
ペプシコーラは、3種の中では最も炭酸を感じる。口内から音が聞こえそうなほどの強い炭酸がその独特な喉越しを生み出し、大変心地よい。甘味も他の2種に比べると強めであり、全体的に主張の強いフレーバーという印象である。
食事と一緒に楽しむには向いていないが、暑い夏の日、炎天下でグッと飲み干すなら、第1選択肢として挙げたい。
爽快感のある炭酸飲料がよく合うジョージア料理
日本ではあまり馴染みのないRCコーラ。ジョージアでは、コカ・コーラと同じくらいかそれ以上に多くの場所で見かける。「RCコーラが最も好き」というジョージア人も多い。
なぜ日本ではあまり見ないブランドが、ジョージアでは高い評価を受けているのか。飲み比べてみた結果、一つの可能性が浮かんだ。3種の中で、最も食事に合うコーラ、という印象なのである。
RCコーラは他の2種に比べ甘味はやや控えめ。甘味自体がまろやかで、深みを感じる。コーラらしい独特の香りは感じるが、コカ・コーラほどスパイシーな印象ではない。そのため、食事の味を邪魔することがない。
ジョージアでは、食事の際に炭酸飲料をよく飲む。ジョージア料理は塩味が強く、ハーブやスパイスも多量に使う。そのため味が濃く、水やお茶よりも爽快感のある炭酸飲料がよく合うのである。
一方、日本ではファストフードなどを除き、味のついた飲料と一緒に食事をすることはあまりない。そのため、ジョージアでは食事に合うRCコーラが特に人気が出たのではないかと考えられる。
飲料のフレーバーからその国の文化を知る
コーラ飲料はわれわれの生活に深く根付いている。しかし、その味がブランドや国によって異なるということを意識することは実はあまりないのではないか。「コーラはコーラ」そんなふうに思ってはいまいか。あらためて飲み比べてみると、それぞれに特徴があることがわかる。
そして、それぞれの国によって利用できる素材や好まれる飲用シーンが異なり、それに合わせた工夫もなされている。飲料のフレーバーからも、その国の文化を知ることができるのだ。(フードライター 加藤麻結)
コラムニスト
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March 24, 2020 at 03:22PM
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食事の味を邪魔しないRCコーラがジョージア人には人気 | 日本食糧新聞電子版 - 食の情報源
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