金井啓子の現代進行形
2020年4月16日
在宅勤務可能でも認めない職場
新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言から約10日。それでも自宅外で働く人たちがいる。その中には、先週も書いたように、社会を機能させるために出勤せねばならない人がいる。また、休業補償がなければ生活できなくなるため、やむを得ず働く人もいる。
そして、彼らとは事情がやや異なるが、私の友人も出勤せねばならないことを知った。詳しく書きたいのだが、彼女は上司からの報復を恐れているのでぼかして書く。
友人はある組織で働いているのだが、在宅勤務が十分可能な勤務内容である。緊急事態宣言が出る前から彼女は感染が気になって、電車やバスで通勤する職員に優先的に在宅勤務を認めてほしいと上司に訴えたのだが、上司からは「休むならば有給休暇を申請して」という答えしかなかった。「休むのではなく自宅で働きます」といくら言っても聞く耳を持たなかったという。前例がないからというのが拒否の理由だったらしい。
こんな事態に前例があるわけもなく、命が関わっているにもかかわらずこのていたらく。友人自身は自家用車で通勤しており、同僚たちのために勇気をふるって上司に進言したのだが、それが届かずひどく落胆し、彼女は私に「想像力が乏しいよね」ともらした。
さて、緊急事態宣言を受けて、在宅勤務を行ってよいという通達が、友人が勤務する組織全体に対して出た。だが、彼女の仕事は複数の事務所を1日ずつまわるものであるため、在宅勤務を行うためには各事務所長の許可も必要となる。ほとんどの事務所長からは在宅勤務が許された。
だが、ひとりだけ「君は車通勤だし、働いている場所は『密』じゃないし、この業務は職場でしかできないだろうから、在宅勤務にしないでいいよね」と言ったという。追い打ちのように「どうしても在宅勤務にしなくちゃいけない理由がある?」とまで聞かれて、友人は「緊急事態宣言以外に何があるのって言い返せなかった。弱者だからね」と怒りと悲しみがないまぜになった声で電話口で私に話した。雇用形態から見て、上司に強く何かを言いづらい立場なのだという。
確かに友人が働く部屋には人がおらず、ひとりで作業をすることがほとんどだ。それでも自宅を一歩出れば他人に会う可能性が上がり、その分感染のリスクも増大する。彼女の自宅には介護が必要な親が同居していることも知っているその上司の無神経さには、当事者ではない私にすら腹立ちと涙がこぼれそうな気持ちがわきあがった。
このような無理無体に遭って悩む人は、他にも多くいるのかもしれない。感染による命の危険と、上司の命令を聞かねば仕事を失うという恐怖の板挟みはつらいだろう。だが、コロナ騒動が収まった後も、あなたの命すら守ろうとしないその職場で働き続けたいのかを考えてほしい。そして、勇気を持って自分の命は自分で守ってほしい。
(近畿大学総合社会学部教授)
"であるために" - Google ニュース
April 16, 2020 at 07:18AM
https://ift.tt/2yfaPsS
自分の命を守れるのは自分だけ [金井啓子の現代進行形] - 大阪日日新聞 - 大阪日日新聞
"であるために" - Google ニュース
https://ift.tt/2HbtK9j
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update
No comments:
Post a Comment