
◇労働者支援ネットワークやまなし代表 加藤英輔さん(35)
――「労働者支援ネットワークやまなし」を設立した経緯を教えてください。
◆有期雇用が5年を超えた場合、本人が申し込めば無期雇用に転換できる「無期転換」の制度が2018年から本格的に始まりましたが、制度導入前に雇用主が契約更新を打ち切る「雇い止め」が増えることを懸念し、17年に県内の弁護士4人と設立しました。17年5月に初めて無料電話相談を行ったところ、「雇い止めを予告された」など約25件の問い合わせがありました。
――活動内容を教えてください。
◆18年から毎週水曜日午前11時半~午後1時半に労働・貧困問題専用のホットライン(070・2675・7885)で電話相談を受け付けています。「残業代を出してもらえない」「突然解雇された」など、さまざまな相談が寄せられます。最近は月平均10件ほど相談があります。少しずつ認知度が上がってきました。
――新型コロナウイルス関連で相談する人もいますか。
◆4月に新型コロナウイルスの感染拡大で生活に困窮した人たちの相談に応じる無料相談会も開きました。個別の相談を合わせると新型コロナに関連した相談は10件ほど寄せられました。宿泊施設で働いている人が多く、シフトに入れてもらえないので給料が出ないという内容でした。休業補償が出ないという声もありました。緊急事態宣言の発令後に相談が増えた印象があります。反響があり、5月にも無料相談会を開きました。
――「給料が出ない」「休業補償が出ない」という相談にはどのように対応していますか。
◆法律上で最低6割の補償をしなければなりません。まず、休業補償を会社に請求するよう(相談者に)お願いします。内容次第では労働局を紹介したり、法律事務所を紹介したりするケースもあります。
新型コロナに限らず、山梨では労働法を認識している人が少ない気がします。労働法は労働者を守るための法律ですが、どれだけ私たちが説明しても「会社には逆らえない」と話す相談者もいます。逆らうと生活できなくなるので会社とけんかしたくないと考えてしまう。会社側に「会社を辞めたら、県内では働けない」と言われ、相談者が信じたケースもありました。労働者と使用者に上下関係はなく、あくまで対等です。会社にしっかり意見を言ってほしいです。
――相談者に呼び掛けたいことはありますか。
◆弁護士への相談はしにくいと感じる人もいるかもしれませんが、気になったことがあれば気軽に相談してください。【聞き手・金子昇太】
◇かとう・えいすけ
1985年、甲府市生まれ。首都大学東京(現東京都立大)法科大学院を2010年に修了し、14年に弁護士登録。甲府合同法律事務所に所属し、労働問題などに取り組んでいる。17年に弁護士仲間4人と「労働者支援ネットワークやまなし」を設立した。
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May 19, 2020 at 06:40AM
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