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Monday, September 7, 2020

飲食店の成長を加速するために知っておきたい財務のオキテ ~融資の基本知識【代表者保証】~ - KaikeiZine

飲食店にとって金融機関から融資を受けることは資金調達の王道です。そこで、「融資の基本知識」について紹介します。今回は、代表者保証について説明します。

融資にとって代表者保証は必須!?

都内で焼肉店を1店舗経営しているfさんは自身が高齢になってきており、一緒にお店を運営している右腕のAさんに会社を譲って引退したいと考えています。ただ、お店を改装したときに金融機関から融資を受けた借入金について経営者であるfさん個人が連帯保証人になっており、会社を譲り代表者をAさんへ変更する際にはAさんが代わりに連帯保証人になってほしいと金融機関から言われ、悩んでいます。

会社が金融機関から融資を受ける場合には、ほとんどの場合で経営者が連帯保証人になること(代表者保証)を求められます。その理由として多くの中小企業の場合、財務基盤・経営基盤の脆弱性があるため、金融機関はその高くはない信用を経営者などの個人保証で補完しようとするためです。金融機関は経営者を連帯保証人にすることによって、会社の資金繰りが厳しくなった場合に、経営者個人に資産があれば、万が一の場合にそこから回収することができます。また、経営者が「自分の資産は豊富だし、会社はどうなっても構わない」と考え、会社の資産を経営者個人の資産へと移すというモラルハザードを防ぐこともできます。金融機関側にとって経営者が連帯保証人になることは融資をする上で非常に重要になるのです。

しかしながら、経営者側にとっては、会社が事業に失敗したときには、会社が倒産すると同時に、代表者も保証債務の履行を求められるため、結果として財産をすべて失うことになるという厳しい制度になっていますので、代表者はその事実を理解して会社を経営していく必要があります。

代表者保証を外すためには信用が大事!

その後fさんは、飲食店専門の税理士に相談し、代表者保証を外しやすい商品を活用した方がよい旨を教えてもらいました。そこでfさんは日本政策金融公庫から代表者保証なしの融資を受け、既存の借入を返済することで、お店の承継をスムーズに行うことができました。

会社が既存の借入がある金融機関から代表者保証を外してもらうためには、会社の財務健全性が高く、会社に代表者の個人的な収支が介入しない透明性が高い会社になる必要があります。2014年2月に適用開始された中小企業庁と金融庁による「経営者保証に関するガイドライン」では、代表者保証について、会社と個人が明確に分離されていて、会社に十分な利益・財力がある場合などは経営者その他の保証は求めないとしています。

代表者保証なしで融資を受けるには、経営者保証に関するガイドラインを参考に、要件を満たす企業になって銀行に交渉するしかありませんが、実際はハードルがとても高いです。そこで、代表者保証をあまり求められない融資商品をうまく活用していく方法も大切です。例えば、日本政策金融公庫による創業融資やマル経融資、商工中金による融資は代表者による個人保証が求められないケースも多いです。長期的には代表者保証なしでも融資をしてもらえるように金融機関からの信用を勝ち取ることが重要ですが、これにはある程度の時間が必要となるので、代表者保証を外しやすい融資を組み合わせて財務基盤を築いていくことが重要です。

飲食店の財務戦略は代表者保証を理解するところから!代表者保証なしでの融資を受けられるよう金融機関から信用される会社になることを目指すことが大切です。


「顧客目線」「嗅覚」がカギ! 選ばれる税理士の “回答力”

2020年6月に清文社からCredo税理士法人の2冊目の本が出版されました。今回は、弊社の顧問である元国税調査官の飯田真弓先生との共著となっています。

税理士事務所を舞台に税務トラブルを小説調で解説していく読みやすい本となっています。メインの話は個人の飲食店に関する税務の解説本になっているので、経理に携わっている方も、飲食店の方も読みやすいと思います。ご興味がある方は是非チェックしてみて下さい。

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Credo税理士法人代表/税理士・経営コンサルタント

富山県出身で醤油屋の次男として誕生。慶應義塾大学商学部卒業後、税理士法人山田&パートナーズ、アビームコンサルティング(株)、OAG税理士法人/㈱OAGコンサルティングを経てCredo税理士法人/Credoコンサルティング事務所を設立。飲食店を専門に開業支援や多店舗展開支援を年間50件以上実施するなど、財務戦略に基づいた飲食店の繁盛店の仕組みづくりに強みを持つ。
■Credo税理士法人
http://credo-tax.com

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