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Saturday, February 27, 2021

古里の味「かきあめ」、懐かしい「元祖」が復活 宮城・石巻 - 河北新報オンライン

カキ殻に模した形を再現したかきあめ

 宮城県石巻地方で長年愛されてきた「かきあめ」がカキ殻を模した元の形状で3月に発売される。古里の味を伝えてきた製造元が東日本大震災の津波で被災。2018年に別の形状で復活販売されたが、元祖の姿を懐かしむ声に応え、試行錯誤の末に再現させた。震災から10年の節目に「完全復活」を遂げる。
 かきあめは福田屋製菓(宮城県石巻市)が1918年に発売し、独特のひだのある楕円(だえん)の形で親しまれた。83年に地元のかきあめ喜栄が経営を引き継いだが、震災で製造工場が被災。あめの型などが流失した。
 市内でコーヒー販売業を営む石川光晴さん(65)が味の継承を願い2018年秋、喜栄から商標を譲り受けて復活させた。宮城県産カキのエキスを練り込み、金華山付近の海水で作った「金華塩」で味を調えた。
 形の再現は、製造を引き受ける蔵王の昔飴本舗(同県大河原町)社長の佐藤敏徳さん(54)と19年夏ごろから取り組んだ。歯科技工士の資格を持つ石川さんが震災前のあめを知人から提供され、石こう型を採取。佐藤さんがプラスチックの模型で整形した。
 新型コロナウイルスの影響で作業が一時滞ったが、同県山元町の企業の協力で昨年11月に金型が完成。試作を重ね、今年1月半ばに本格製造を始めた。
 再現した形は八つの楕円を折り重ねてカキ殻に似せた。金型で手作りするため大量生産はできず、12個入りの袋(380円)に形を復元した1個を入れて3月から売り出す。個別包装には福田屋製菓への敬意と縁起を担ぐ意味を込めて「福」のシールを貼る。
 「いろんな人の協力があって実現できた」と佐藤さん。石川さんは「子どもの頃になめたあめをやっと再現できた。多くの人に懐かしんでほしい」と話す。
 いしのまき元気いちばと珈琲(コーヒー)工房いしかわ本店(ともに石巻市)、いしかわS-PAL店(仙台市青葉区)などで取り扱う。

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