働く女性のキャリアとライフスタイルを応援する女性誌『日経WOMAN』(発行:日経BP)と日本経済新聞社グループの「日経ウーマノミクス・プロジェクト」は、「企業の女性活用度調査」を実施、2021年版「女性が活躍する会社BEST100」をまとめた。522社から得た回答を基に、『日経WOMAN』6月号(5月7日発売)誌上にて総合ランキングBEST100を発表した。同調査は『日経WOMAN』が、1988年の創刊時から不定期で実施しているもので、今回で19回目を迎えた。
「働きがい」と「働きやすさ」という2つの観点から、企業における女性社員活用の実態を1.管理職登用度 2.女性活躍推進度 3.ワークライフバランス度 4.ダイバーシティ推進度の4つの指標で測定し採点。それらの合計得点を偏差値化して総合スコアとし、総合ランキングを作成した。結果概要は次の通り。 *表示した総合スコアが同じで順位が違う場合は、小数点2位以下で差がある。
『女性が活躍する会社』 総合ランキング BEST10
順位 | 企業名 | 総合スコア |
---|---|---|
1位 | アクセンチュア | 78.6 |
2位 | 日本IBM | 77.0 |
3位 | りそなホールディングス | 76.3 |
4位 | アフラック生命保険 | 76.2 |
5位 | 資生堂 | 75.9 |
6位 | 千葉銀行 | 75.4 |
7位 | 花王グループ | 74.5 |
8位 | 髙島屋 | 74.4 |
9位 | 大和証券グループ | 74.3 |
10位 | パソナグループ | 73.9 |
今年、総合1位になったのはアクセンチュア(2020年は総合2位)。06年から女性活躍を推進。15年に始まった同社独自の働き方改革が相乗効果を生み、長時間労働の是正で女性社員比率が向上。女性管理職も着実に増え、20年12月時点で、女性管理職比率18%(17年15%)、女性経営幹部比率は17%(17年8%)に。部門別の管理職登用度でも2位にランクインした。2位は日本IBM(20年は総合1位)。1990年代からダイバーシティ推進に取り組む日本におけるパイオニア的存在。19年に始めた女性管理職育成の年間プログラム「W50」が想定以上の成果を生み、20年12月時点の女性管理職比率は18%(19年17%)。部門別の管理職登用度では1位を獲得した。3位は、りそなホールディングス(20年は総合5位)。03年に公的資金が注入されたのを機に女性活躍を推進。20年度の女性ライン管理職比率は30.4%と9年連続で上昇(15年度23.7%)。男性の育休取得推進やテレワーク制度などワークライフバランス施策も進む。
総合ランキングに加え、4つの「部門別ランキング」も作成した。それぞれの部門の評価ポイントおよび各部門1位~5位の企業は以下の通り。
●【管理職登用度】部門
~女性役員数、管理職に占める女性の割合を評価。子どもを持つ女性管理職の人数もチェック
1位は日本IBM。女性管理職育成プログラムが奏功し、19年参加メンバーの50%、20年は25%が管理職に(21年1月時点)。女性役員級比率は20%(19年は18%)まで上昇。人数も51人と過去最高に。2位のアクセンチュアは、管理職候補の女性社員ごとに人材開発プランを作成し、上司が昇進をフォロー。20年12月時点で女性経営幹部比率は17%(17年8%)。女性管理職比率は18%(17年15%)。3位はパソナグループ。女性管理職比率は39%、女性役員比率は36%に。
順位 | 企業名 |
---|---|
1位 | 日本IBM |
2位 | アクセンチュア |
3位 | パソナグループ |
4位 | 資生堂 |
5位 | ファイザー |
●【女性活躍推進度】部門
~女性活躍の専任組織の有無や女性社員向けの研修制度などで評価
1位に第一生命ホールディングス、東京海上日動火災保険、日立製作所、三井住友海上火災保険が並んだ。第一生命ホールディングスは15年から女性管理職候補者向け研修を開始。20年には研修体系を細分化し、育成を強化。東京海上日動火災保険は「23年度末までに管理職手前層(係長相当職)に占める女性割合を50%以上」の目標を20年4月に達成。日立製作所は「20年度末までに国内の女性管理職800人(12年度比2倍)」の目標を達成。三井住友海上火災保険は06年から女性活躍推進に取り組み、階層別研修が充実する。
順位 | 企業名 |
---|---|
1位 | 第一生命ホールディングス |
1位 | 東京海上日動火災保険 |
1位 | 日立製作所 |
1位 | 三井住友海上火災保険 |
5位 | 大和証券グループ |
5位 | 日本生命保険 |
●【ワークライフバランス度】部門
~年間総労働時間や有給休暇取得率、男女社員の育休取得率などを評価
1位の日本生命保険は20年3月時点で、月間平均の所定時間外労働時間を16年度比で18%削減。年休取得も進み、休暇取得率は70%に。男性育休取得率も13年度から20年度まで8年連続で100%に。2位の住友生命保険は17年から働き方改革に取り組み、既存業務の削減・効率化と評価制度の見直し(時間当たり生産性評価の導入)により、20年3月時点で総労働時間は16年度比11.6%減。男性育休取得率は20年3月に100%を達成。3位の千葉銀行は、職員のワークライフバランスへの意識向上を目的として、人事考課にタイムマネジメント項目を追加。職員の意見や要望を施策に反映させており、これまでにつわりや不妊治療のための休暇制度など約60の施策を実現。
順位 | 企業名 |
---|---|
1位 | 日本生命保険 |
2位 | 住友生命保険 |
3位 | 千葉銀行 |
4位 | 髙島屋 |
4位 | 東京海上日動火災保険 |
●【ダイバーシティ推進度】部門
~女性社員の比率や勤続年数など定着率を評価。障がい者雇用率やLGBT理解促進の施策もチェック
性別や年齢、障がいの有無などに関わらず、誰もが長く活躍できるよう、ワークライフバランス施策や両立支援制度拡充などのサポート体制を充実させる企業が上位に。1位のNECは正社員の平均年齢、平均勤続年数共に男女差がほぼなく、新卒で入社した社員の入社3年後の在籍率も93%と高い。2位の花王グループは育児支援制度の整備で、90年代半ばには出産後も働き続けることが当たり前に。主要会社の女性正社員の54%が既婚者で、子どものいる女性正社員比率は46%。女性管理職では53%がワーキングマザー。3位のアフラック生命保険は女性正社員の51%が既婚者、ワーキングマザーは36%。在宅勤務など働き方の多様化などにより、若手女性社員の離職率が改善。
順位 | 企業名 |
---|---|
1位 | NEC |
2位 | 花王グループ |
3位 | アフラック生命保険 |
4位 | りそなホールディングス |
5位 | キヤノン |
女性活用度調査の詳細は、『日経WOMAN』2021年6月号(5月7日発売)で詳報しています。
※調査概要/2021年1月~2月中旬に上場企業など国内有力企業4468社を対象に日経BPコンサルティングが実施。522社から回答を得た。設問や採点基準は有識者(聖心女子大学教授・大槻奈巳氏、キャリアン代表取締役・河野真理子氏、法政大学教授・武石恵美子氏)と本誌編集部で定めた。
【お問い合わせ先】
本リリースの内容に関するお問い合わせは日経BP『日経WOMAN』編集部(問い合わせフォーム https://support.nikkeibp.co.jp/app/ask_0101/p/401/)に、取材のお申し込みは、日経BPのコーポレートサイトお問い合わせページ(https://www.nikkeibp.co.jp/faq/)からお願いいたします。
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