Pages

Sunday, May 30, 2021

「エア・ドゥ」と「ソラシドエア」共同で持ち株会社設立合意 - NHK NEWS WEB

新型コロナウイルスの影響で、航空会社の経営が厳しさを増す中、北海道を拠点とする「エア・ドゥ」と、九州を拠点とする「ソラシドエア」は、来年10月をめどに共同で持ち株会社を設立し、業務の共通化を進めることで基本合意したと発表しました。感染拡大以降、初の航空業界の再編となります。

発表によりますと、いずれも地域の航空会社で、札幌市に本社を置く「エア・ドゥ」と、宮崎市に本社を置く「ソラシドエア」は、来年10月をめどに共同で持ち株会社を設立することで基本合意しました。

両社はそれぞれ、持ち株会社の子会社として傘下に入り、業務を共通化して費用の削減を図るとしていて、具体的には、航空機の部品や燃料を共同で調達したり、羽田空港にあるカウンターや事務所のほか、人事や総務部門などを共通化することを検討するとみられます。

新型コロナウイルスの影響で厳しい経営が続く航空業界で、初の再編となりますが、両社はブランドや路線網など経営の独立性は維持するとしています。

また、両社はそれぞれ資本金を減らす減資を行って、必要な資金を確保する一方、金融機関に議決権が制限される「優先株」を引き受けてもらう形で増資を行うことも発表しました。

このうち、
▽エア・ドゥは、政府系の日本政策投資銀行と北海道の北洋銀行から、合わせて70億円、
▽ソラシドエアは、日本政策投資銀行と宮崎銀行、それに宮崎太陽銀行から、合わせて25億円の出資を受けるとしています。

31日に発表された両社の昨年度の決算は、最終的な損益が、エア・ドゥが121億円、ソラシドエアが76億円の赤字でした。

航空業界の苦境 大手2社は

今回の動きの背景には、新型コロナウイルスの影響が長期化し、航空会社の経営が一段と厳しくなっていることがあります。

大手2社の昨年度の決算は、最終的な赤字額が、ANAホールディングスは過去最大の4046億円、日本航空は2866億円で、経営破綻後に株式を再上場した2012年以降、初めての赤字となりました。

両社は、大型機を中心に旅客機の数を減らしたり、社員を外部に出向させたりしてコストを削減していますが、いまも大幅な減便や運休を余儀なくされていて、需要の回復の見通しが立たない状況です。

両社は今後、感染が収束しても、ビジネス需要が以前の水準に回復することは難しいとみて、観光での利用が多いLCC=格安航空会社の事業や需要が伸びている貨物事業に力を入れるなど、戦略の転換を急いでいます。

地域の航空会社も厳しい状況は同じで、共同持ち株会社の設立で合意した北海道の「エア・ドゥ」と九州の「ソラシドエア」は、発表資料の中で「かつて経験したことのない極めて厳しい状況」としたうえで、「両社の事業展開にも大きな変革が求められる」と強い危機感を訴えています。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( 「エア・ドゥ」と「ソラシドエア」共同で持ち株会社設立合意 - NHK NEWS WEB )
https://ift.tt/3yOAqU9

No comments:

Post a Comment