● 通学の車に発砲し 6歳男児が死亡 また痛ましい事件が、米カリフォルニア州ロサンゼルスで起きた。今月21日の朝8時頃のことである。 【この記事の画像を見る】 ジョアンナ・クルーナンさんは、いつものように6歳の息子エイデンちゃんを後部座席のチャイルドシートに乗せて、ハイウェー55号線を学校に向かっていた。出口から降りるために右側に車線を変更したところ、突然異変が起きた。 バンという音とともに、後方から1発の銃弾が撃ち込まれたのだ。 「うっ、ママ、おなかが痛い」 その声にすぐさま車を止めて振り向くと、息子の腹部から血がにじみ出ているではないか。銃弾が車後部のトランク、チャイルドシートそしてエイデンちゃんの体を貫通していたのである。偶然近くにいた非番の警察官が応急処置を行ったが、エイデンちゃんは病院に運ばれる救急車の中で息を引き取った。 「おそらく、ロードレイジによるものだと思われます」
事件後、テレビ中継された記者会見で高速パトロール隊員が口にしたその言葉は、全米の人々に強い衝撃を与えた。 ● ロードレイジによる 銃撃事件が3年で倍増 「ロードレイジ」とは、運転中に怒りの感情が高まって犯罪行為に発展する現象のことだ。1990年代にアメリカで「攻撃的(aggressive)」な運転による事故が増えたため、ニュースメディアがこの言葉を使った。それが、今では一般に定着している。 日本では、2017年6月に起きた東名高速夫婦死亡事件が多くの人々の記憶に残っているだろう。 パーキングエリアで通行の妨げになると注意されたことに腹を立てた25歳の男が、注意した家族の乗ったワゴン車を東名高速道路で猛追して前に割り込んで、追い越し車線で急停車させた。そこに後続の大型トラックが激突。ワゴン車に同乗していた娘2人の前で、夫婦2人が死亡した痛ましい事件だ。これをきっかけに、あおり運転が日本でも社会問題化した。 今回のロサンゼルスでの事件も、クルーナンさんの車が前方に入ってきたことにカッとなった後方の白いセダンに乗っていた男女カップルのどちらかが発砲したと捜査当局はみている。警察は男女の乗った白いセダンの行方を追うとともに、犯人逮捕につながる有力情報の提供を呼びかけている。 車社会であるアメリカは、多くの方がご存じのように、他に類を見ない銃社会でもある。歴史的に銃規制が困難であるため、世界で民間人が所有する銃のなんと4割(約4億丁)をアメリカ人が持っているのだ。そのため、ロードレイジによる衝動的な銃撃事件が後を絶たない。 近年、事態はとくに深刻化している。民間機関の調査によると、銃を使ったロードレイジは過去3年間で2倍以上に増え、1200件超。子供が犠牲になるケースも目立つ。背景には新型コロナウイルスの感染拡大によるストレスや、傍若無人なトランプ前大統領の過激な言動による社会の分断と人種差別の激化があるという。コロナとトランプがこんな所にも暗い影を落としているのだ。 ● 運転中はキレやすい 三つの理由 しかし、そもそもなぜ人間は車のハンドルを握るとこうもキレやすくなるのだろうか。 少なくとも三つの理由があると、心理学の専門家たちが分析している。 まず、高速道路ではスピードを出して運転するため自然に脈拍や血圧が上がって神経が高ぶる。そのため感情的になりやすい。その状態で、他の車が前に割り込んできたり、進路を妨害されたと感じると怒りの感情が高まりやすい。
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