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Tuesday, June 15, 2021

味はえびせん風、「コオロギせんべい」売れ行き好調…エコな「昆虫食」人気も追い風 - 読売新聞

 岐阜県大垣市の食品製造会社「キャナリィ21」が、コオロギを原料にした「コオロギせんべい」を開発し、販売している。味はえびせんべい風。栄養価が高く、環境負荷の少ない「昆虫食」の人気も背景に売れ行きは好調で、「小規模企業でも環境保全に貢献できることを示したい」としている。

 昆虫食については、国連食糧農業機関(FAO)が、人口増加による食糧不足の解決策の一つに挙げている。たんぱく質やカルシウムを多く含み、飼育に必要な餌は家畜に比べて少ないことから、「無印良品」を展開する良品計画(東京)も「コオロギせんべい」を開発。昨年5月に販売を始め、反響を呼んだ。

 一方、キャナリィ21は希少な「 烏骨鶏うこっけい 」の卵生産や加工食品販売、品種の保存・育種を手掛けており、環境保全や健康づくりに向けた商品開発を進める中、コオロギに着目。2019年末頃から開発に乗り出したが、昆虫食の製造ノウハウがないため、苦労を強いられたという。

 まず肝心なのが、原料となるコオロギの粉末の調達だ。厳重管理の下で飼育した食用コオロギから粉末を生産し、欧州に輸出実績があるタイの企業と交渉を進め、仕入れの契約に合意した。国内の製造委託先も、協力してくれる愛知県の老舗えびせんメーカーを探し出した。ただ、粉末の配合の割合次第で、臭みや苦みが出てしまう。そこで試行錯誤を何度も重ねた結果、最適な割合に落ち着き、今年の3月初旬、販売にこぎ着けた。

 同社製は、ほんのりと甘みがあるのも特徴。食後の血糖値の上昇度合いを示す「GI」値が低いとされる甘味料も含まれているという。1袋60グラム入りで、33~36匹分の粉末が含まれており、価格は税込み324円。大垣市高屋町の直営店「烏骨鶏ドゥースフォレ」をはじめ、各小売店やネットショップで販売しており、これまでに約2万袋が売れている。今後、粉末をパンや菓子にも練り込んで販売する計画もあるという。

 同社の加納優子取締役(46)は「少しでも食への意識が変わり、環境保全に目を向けるきっかけになれば」と開発の狙いを説明。「小規模企業の弊社が昆虫食に参入できたことは意義があると思う。追随する動きが広がってほしい」と期待を寄せている。

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