まもなくやってくる夏。気分転換や爽快感を味わいたいときの必需品といえば、炭酸飲料。コンビニやスーパーではさまざまな製品が発売されているなか、不動の人気を誇るのが「コカ・コーラ」だ。 戦後まもなく日本でも浸透するようになった経緯や、消費者ニーズごとに容量サイズを展開する理由について、日本コカ・コーラ株式会社炭酸カテゴリー コカ・コーラTMグループ シニアマネジャーの安念剛さんに、話を聞いた。
海外発の“憧れの飲み物”だった
――今回、コカ・コーラを取材するにあたって色々と聞きたいんですけど、日本で初めて販売されたのはいつ頃なんですか? 安念剛(以下、安念):大正から昭和初期の時代にはすでに輸入販売がされていて、大衆の間で飲まれている記録が残っていますが、国内生産を開始したのは1956年になりますね。 ――日本人に受け入れられた理由って、美味しさ以外に何かあるんですか? 安念:一番大きいのはコカ・コーラが海外からやってきた製品だということ。当時国内に販売されていた飲み物とは一線を画す開放的で気分爽快なイメージを醸成するブランドとして、いわば“憧れのアメリカの存在”として消費者の方に受け入られたんですね。コカ・コーラが持つ「ポジティブさや高揚感」と、炭酸飲料としての「美味しさ」が紐づいて老若男女問わず、幅広い世代に愛されるようになったと思います。
「味」は変えずに「量」を増やした訳
――確かにコカ・コーラを飲むと、スカッと爽やかな気分になってリフレッシュできます。日本で製造販売してから60年以上経ちますが、何か変えたことは? 安念:それがコカ・コーラの「味」に関しては一切変わってないんですよ。 ――え、そうなんですね。それは知らなかったです……。 安念:コカ・コーラは誕生以来、伝統の味をずっと守り続けていて、米国にあるアトランタ本社の意向で味は変えることができないんです。コカ・コーラ社では多岐にわたる製品を展開していますが、コカ・コーラに関しては開発は全てアトランタ本社がやっています。 全国5か所にあって製品の製造・販売を行うボトラー(ボトリング工場)が、本社の定めたレシピを忠実に守りコカ・コーラを作っている。それだけ味の品質にはこだわりを持っているんですよ。 ――「味」が変えられない代わりに「量」はバリエーション豊富ですよね。瓶や缶だけでなく、ペットボトルも350mlから1.5Lまであります。 安念:量に関しては、時代の流れや競合他社の動向を踏まえ、顧客の要望や売れ筋など「一定の需要があると見込んだもの」に関しては商品化しています。
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