山形市の鉄骨工事業「リュウアイ」が「YAMAGAMI(ヤマガミ)」のブランド名で鉄製のキャンプ道具の受注販売に乗り出した。新型コロナウイルス感染拡大によるキャンプ人気を踏まえて、鉄を扱う強みを生かした新規事業を興した。社員7人を率いる近藤龍樹社長(42)は「山形発のキャンプギアを全国に発信したい」と夢を描く。
8品目を6月から販売。メインの大型たき火台「六花」(3万6000円)は幅、奥行きとも50センチの六角形で、鉄製の薄板6枚を台の切れ込みに差すだけで完成する。
20秒ほどで設置でき、薄板を外せばコンパクトに収納が可能。本業でも使うレーザー技術を用いて薄板を細密に切り抜いた隙間からはたき火の明かりが漏れ、夜は幻想的な雰囲気を楽しむことができる。
キャンプ歴約5年の近藤社長は「これまでのたき火台は大きいとかさばり、小さいと火力が弱く感じていた。鉄製なので丈夫で長持ちし、簡単に持ち歩くこともできる」と利点を語る。
たき火台の上で煮炊きする五徳は重い鍋を複数置ける丈夫な作り。角パイプで強度を上げた物置台や一人用テーブル、キャンプ地で表札の役割を持つフィールドプレートもある。部品には本業で余った部材も活用。鉄の武骨さを生かした独特な風合いが持ち味だ。
リュウアイは2002年創業。地元と宮城、福島で鉄骨工事やリフォームなどに携わる。コロナ禍で昨年の受注が前年比で約3割ほど減った中、訪れたキャンプ地で人出が多かったことに着目。「本業を生かし、デザイン性や使い勝手のいいキャンプ用品を作りたい」と開発を進めた。
商品を自社のホームページで紹介し、動画投稿サイト「ユーチューブ」で使い方を発信する。今後は調理道具やテントなどキャンプ用品全般に拡大したい考え。近藤社長は「キャンパーならではの視点を生かし、使い込みながら良い物を作り続けたい」と話す。
連絡先はリュウアイ023(600)8228。
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