東洋経済で独自試算、カギは「流通株比率」にあり
プライム市場に残れるか否か。当落ラインのカギを握るのは「流通株」だ(Elle Aon / PIXTA)
6月25日、日本オラクルの株価が急落した。前日終値1万0230円から8700円へ15%近く下がった。
前日に発表された決算が市場予想ほどよくなかったことに加え、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の田中秀明シニアアナリストが前日に出した次のリポートもきっかけとなった。
「プライム市場入りが厳しい、もしくはプライム市場入りに向けて親会社が株を売り出す可能性を株式市場が懸念しているかもしれない。株価下落後も当面は上値が重い展開もありうる」
今や株式市場の注目は、東京証券取引所1部企業のうちどこがプライム市場(市場区分変更で、東証1部に代わる存在)から落ちるか、だ。
ダメと言われると覚悟
「一次判定でダメと言われることは覚悟している」。プライム市場落ち企業を予想した下表で10位以内に入っている東証1部上場企業のIR(投資家向け広報)担当者はそう語る。
東証の市場区分見直しに伴い、基準が最も厳格なプライム市場の上場維持基準を満たせないと、東証株価指数(TOPIX)に採用されなくなる可能性が高い。となれば、35兆円超といわれるTOPIX連動型公募投資信託は、TOPIXから外れる=プライム市場に残れない企業の株をいずれ売る。つまり株価の下落要因となる。
一次判定が下されるのは7月9日。東証はこの日に「適合状況の一次判定」をし、基準を満たしていない企業に通知する予定で、プライム落ちの可能性が高いIR担当者はピリピリしているのだ。
プライム市場の基準には、株主数などさまざまな項目があるが、最注目は「流通株式比率35%以上」というもの。大企業でも、35%以上なければ残れない。冒頭に挙げた日本オラクルがまさにその代表例だ。
流通株式とは、発行済み株式から、自己株式、役員が保有する株式、保有比率10%以上の主要株主が保有する株式などを差し引いたもの。本誌では東証の基準に基づいてその流動株式比率を試算した。
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