
私がコンサルタントとして関わったある中小企業では、経営が軌道に乗り何億円かの利益が出るようになると、片方の共同経営者が、就業時間中でも平気でゴルフ練習場へ通うようになりました。それでは従業員に示しがつかないのでもう片方が注意するのですが、「どこが悪いんだ」と聞き入れません。結局、けんか別れになって、2つの会社に分かれたのですが、そのような例もあるのです。私の経験から言うと、もうかりだすともめやすいとうことです。 多くの経営者を見てきた私のコンサルタントとしての経験から言えることは、共同経営はうまくいかないケースも少なくないということです。初めのうちは、同じ方向を向いて経営をしていても、会社が軌道に乗って利益が出始めると、お互いの間に溝が生じる、我が出るなど、もめ事に発展することが多いのです。共同経営は「一緒にやろう」と言った時から別れの予兆がある――私はそう思っています。最初から、株式の持分がどちらかが多い、上下関係がきちっとあるほうが秩序が保たれやすいと思います。ただ、この場合は、上に立つ人がダメな人の場合は目が当てられない状況になるリスクもあります。 実は、共同経営者同士は仲がいい必要はありません。もちろん、はなから険悪な関係であれば、一緒に起業しようとは思わないはずですが、友達同士のような仲の良さは、共同経営に必須というわけではありません。お互いに自分のやるべきことをはっきり理解し、会社の発展のために、経営に対する考え方が統一できていればいいのです。会社経営に対する考え方とは、何のために事業をしているのか(ミッション)というような基本的な考え方です。 そういう基本的な考え方を身につけるためには、「(2)経営の原理原則を身につけるために(ドラッカーなどの)しかるべき本を読む」「(3)何千年もの間多くの人が正しいと認めてきたことを学ぶ」ことが欠かせないのですが、そのことを理解していない者同士の起業、または片方が勉強していなかったり、勉強する意欲がなかったりするとうまくいきません。 共同経営に似た形態に兄弟経営があります。例えば親の会社を兄弟で継承して兄が社長、弟が専務として経営しているケースです。私のお客さまでも結構あります。家業を継いだ兄弟だから必ずうまくいくということでもなく、やはり兄がやるべきこと、弟がやるべきことがはっきりしていて、兄弟が理解し実行している会社がうまくいっています。 ● 共同経営の相手を選ぶ際に 気をつけるべき2つの視点 兄弟は相手を選べませんが、共同経営は相手を選べるところが利点です。相手を選ぶ際の目の付けどころは2点あります。 まず、「遊び人」の要素を持っている人を選ばないこと。先のゴルフでけんか別れしたケースのように、もうかってくると「遊び人」は気が緩んで仕事よりも遊びを優先しがちになるからです。 もう一つは運のいい人を選ぶこと。このことは私が大原則としていることでもあるのですが、共同経営者選びに限らず、運のいい人と付き合い、運の悪い人と付き合わないようにする。運のいい人、悪い人は、それまでの人生を見ていればだいたい分かります。もし相手が会社の同僚であれば、会社での仕事ぶり、上司や部下との関係、公私の出来事を見ていれば、仕事の能力ややる気とともに、運の良しあしが分かります。運の悪い人は、運が悪くなるような生き方をしているものです。 ここで「(3)何千年もの間多くの人が正しいと認めてきたことを学ぶ」に戻ると、論語や仏教書を読んで途中で投げ出す人、書いてあることが理解できない人は、だいたいどこかでだめになります。何千年もの間、人々が正しいと認めてきたことを学ばなくても、一時的に成功する人はいます。でも、どこかで失敗して、経営の場から退場していくことが多いのは、正しい生き方を勉強していないから。何千年もの間、人々が正しいと認めてきたことは、実は成功するための大原則なのですが、多くの人は学んでもいませんし、成功の大原則であることを知りません。 先にも少し触れましたが、共同経営は対等ではなく、上下関係をはっきりさせた方が成功しやすいといえます。兄弟は一般的には兄が上、弟が下というように割と上下関係がはっきりしていますが、それでももめるもの。対等な関係で経営すると、もっともめやすいので、上下関係をはっきりさせるために、持ち株比率を70対30にするといった対処が必要です。一緒に力を合わせて経営しようと話し合っているときに、上下関係をはっきりさせよう、持ち株比率に差をつけようと言い出すのは難しいとは思いますが、どちらかがトップに立って引っ張っていかないと会社経営は結局は成り立たないものです。 (小宮コンサルタンツ代表 小宮一慶)
からの記事と詳細 ( 会社を共同経営する場合、必ず身につけるべき2つの視点(ダイヤモンド・オンライン) - Yahoo!ニュース )
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