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Sunday, August 29, 2021

コロナ時代の「倒産」新常識、危ない会社を見抜く“兆候”も激変! - ダイヤモンド・オンライン

『週刊ダイヤモンド』9月4日号の第一特集は「廃業急増のウラ 倒産危険度ランキング」です。コロナ危機で、これまでの倒産の常識が通用しなくなっています。倒産件数そのものは低い水準で推移する裏で、廃業する企業が急増。豊富な支援策で生かされステルス化した「倒産予備軍」が増えています。激変する倒産事情の新常識を追いました。(ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)

コロナ禍と連休理由に来訪拒否
死亡事故から1カ月で破産手続き開始

コロナ時代の「倒産」新常識、危ない会社を見抜く“兆候”も激変!Photo:PIXTA

「ゴールデンウィーク及び新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、5月12日まで営業自粛となります」――。

 4月下旬、神奈川県相模原市の建築工事業、則武地所のホームページにこんな一文が掲載された(現在はホームページを削除)。

 同社は4月17日に東京都八王子市で発生した、アパート階段崩落死亡事故の施工会社だ。結局、5月13日になっても営業は再開されず、その日に自己破産を申請。横浜地裁は19日付で破産手続き開始を決定した。

「大型連休中に会社を畳むことは昔からあるジンクスだ。加えて、コロナ禍を理由に第三者の来訪を拒否している。怪しいなと警戒していたら、破産申請した」と帝国データバンク横浜支店情報部の内藤修部長は振り返る。

 則武地所は2000年創業。帝国データバンクによれば、木造アパートの建築単価において同業他社よりも20%以上安い、1室当たり250万円という低価格を武器に事業を拡大。17年4月期の売上高は約20.5億円に達した。

 しかし、有資格の作業責任者を置かずに作業させたとして相模原労働基準監督署に労働安全衛生法違反で書類送検されるなど不祥事が続出。20年4月期の売上高は約9.8億円と3年で半減し、工事代金の支払い遅れも常態化。取引先の間で信用情報が飛び交う「倒産警戒銘柄」になっていた。

 国土交通省によれば、則武地所が手掛けた166件の集合住宅のうち、少なくとも57件で階段の劣化が確認された。しかし、同社が破産したため、アパートのオーナーが補修費用を請求しても支払われるかどうかは不透明だ。

 死亡事故から約1カ月で破産申請した則武地所について、赤羽一嘉国土交通相は、「本来ならば施工についてのオーナーへの説明や、補修対応をする必要がある中、責任を果たさずに自己破産申請することはあってはならない」と不快感をあらわにした。

 則武地所が施工したアパートのオーナーのように、取引先の倒産に巻き込まれると、企業は手痛いダメージを食らってしまう。

 取引先が信用に値する企業かどうかを見抜くことは、自社の死活を左右する必須スキルだ。

 ただし、企業の倒産リスクを調べようにも、どうやってチェックすればいいか迷うだろう。加えて、コロナ禍で企業の実態が見えにくくなっていると、信用調査会社の担当者は口をそろえる。

“危ない”会社を見抜くプロたちに、最新の信用調査のチェックポイントを伝授してもらった。

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