加齢により判断能力が大きく低下した高齢者や、精神障害などで判断能力が低くなった方が犯罪の被害に遭う事例が増えています。特にオレオレ詐欺をはじめとする各種特殊詐欺の被害者は、65歳以上の高齢者が約8割を占めています。 高齢者を含め、判断能力が低下した人を守るための制度に成年後見制度があります。成年後見制度がどんな制度であるのか、法定後見と任意後見の違いについて解説します。
成年後見制度とは
成年後見制度とは、認知症や知的障害、精神障害などの理由で判断能力が不十分であることとから、自分では契約の内容を正しく理解できないような方や、財産の管理ができないという方を法的に保護して支援するための制度です。 成年後見制度には、大きく分けて法定後見と任意後見の2つがあります。
法定後見とは
法定後見は、家庭裁判所が本人や配偶者、四親等以内の親族など、一定範囲の方からの申し出に基づき、本人の保護と支援を図る制度です。法定後見は判断能力の低下の度合いに応じて、後見、保佐、補助の3つの類型に分けられます。 <後見> 後見は法定後見のうち、最も重い状態にある方に適用される類型です。 例えば、重度の認知症や精神障害、知的障害などを理由に物事を判断できない状態にある場合に適用される可能性があります。後見が適用されると、本人は被後見人(後見制度で守られる人)となり、保護するための後見人(サポートする人)が付けられます。 成年被後見人となると本人による一切の法律行為(例えば不動産の契約など)は、日用品の購入を除いて後見人が取り消すことができるようになります。また、後見人には代理権が与えられ、被後見人に代わって法律行為をすることができます。 <保佐> 被後見人ほどではないものの、物事を認識する能力が著しく不十分である人に適用されるのが保佐です。 認知症が進んできて物忘れの激しいときがある方など、日常生活において支障が出始めてきており、重要な法律行為をさせるのは不安という場合に適用されるものです。 保佐が適用されると本人は被保佐人となり、サポートするために保佐人が付けられます。被保佐人となると、不動産の売買、お金の借り入れや貸したお金の領収、相続の放棄、証人といった一定範囲に属する重要な法律行為は保佐人の同意をなくしてできなくなります。 また、同意のない行為については保佐人が取り消すことができます。後見人と異なり、保佐人には基本的に代理権はありませんが、家庭裁判所が認めた範囲で代理権が与えられることもあります。 <補助> 日常生活に問題はなくても、加齢などにより判断能力が十分でなく、複雑な事柄に対しての理解力が低下している方に適用される可能性があるのが補助です。補助が適用されると本人は被補助人となり、サポートするために補助人が付きます。 被補助人は症状としては軽度であるため、家庭裁判所の審判で決定した一部の事項のみ補助人に取消権や代理権が与えられます。 また、補助人はまだ判断力がある程度しっかりしているため、後見や保佐とは異なり、家庭裁判所が補助を適用するか審判をするには本人の同意が必要になります。
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