日本の平均年収は、働き盛りの30~40代でも約450~500万円といわれています。では年収800万円の世帯はどれくらいの割合なのでしょうか。また、平均年収と比較すると、年収800万円はかなり高い金額に見えますが、実際はどうなのでしょう。 そこで本記事では、年収800万円の人の割合や手取り額、おすすめする節税対策などを詳しく解説します。
年収800万円の割合は日本にどれくらい?
国税庁の「民間給与実態統計調査(令和元年分)」によると、年収800万円超900万円以下の割合は全体の2.9%です。割合だけを見ると、約3%であることから少ない数値であることが分かります。 年代別の平均収入は、年代が高くなるほど増える傾向にありますが、それでも50代以上の平均年収は525万円で年収800万円には届きません。 ■年収800万円の手取り額は? 年収800万円というのは額面年収であるため、実際の手取り額はその金額から税金や社会保険料などが引かれた金額です。住民税は一律10%ですが、所得税は累進課税制度を採用しているため、年収が高くなれば課される税率が高くなります。 一般的な会社員で年収800万円の場合の手取り額は、独身で約595万円です。住民税や所得税、社会保険料は下記を参考にしてください。 ●住民税:約46万円 ●所得税:約47万円 ●社会保険料:約112万円 社会保険料は、健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料の合計金額です。また、既婚者の場合は扶養控除や配偶者控除などがあり、月の手取り額が少し高くなります。
年収800万円のおすすめ節税対策
年収800万円の場合、約205万円が税金で課せられるため手取り額が約595万円となります。少しでも手取り額を上げるためには、節税対策が有効です。 ここでは、年収800万円の人におすすめの節税対策を3つ紹介します。それぞれの特徴を見て、自分に合った節税対策を見つけてみてください。 ■財形貯蓄 財形貯蓄は「勤労者財産形成促進制度」に含まれる制度の1つであり、従業員の資産づくりを支援する制度です。導入している会社の従業員が、福利厚生の一環として利用できます。 財形貯蓄には、一般財形貯蓄・財形年金貯蓄・財形住宅貯蓄の3種類があります。そのなかの財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄は、合計550万円までの積立金にかかる利子が非課税になります。上手に活用すれば、老後生活の安定に役立つでしょう。 ■ふるさと納税 ふるさと納税は、自分が応援したい都道府県・市区町村などの自治体に寄付ができる制度です。ふるさと納税のメリットは、寄付のお礼にお米やお肉、果物などの「地域の特産品」などがもらえることです。 「確定申告」「ワンストップ特例制度」の申請をすることで、寄付金の合計から2000円差し引いた金額が、本来納める税金から控除されます。ただし、ワンストップ特例制度の申請をしなかった場合、確定申告をする必要があり、その手間がかかる点はデメリットだといえます。 ■住宅ローン減税制度 住宅ローン減税制度は、「住宅借入金等特別控除」という制度です。住宅ローンを組んで住宅を購入すれば、所得税から控除されます。控除される金額は、住宅の取得対価か毎年末の住宅ローン残高のうち、いずれか少ないほうの金額の1%です。 注文住宅で新築の場合は「令和3年9月30日まで」、分譲住宅の取得などの場合は、「令和3年11月30日まで」に契約し、「令和3年1月1日から令和4年12月31日までの間に入居した場合」、控除期間が3年間延長されて13年間の控除が受けられます。
年収800万円の世帯の割合は2.9%
年収800万円の世帯の割合は全体の2.9%であり、平均年収と比較すると高い金額だと言えます。しかし、税金や社会保険料などの金額を差し引くと、手取り額は約595万円です。 高所得である一方、そこまでぜいたくな暮らしができる訳でもなさそうです。手取り額を増やしたいと考えている場合には、本記事で紹介した節税対策をぜひ参考にしてみてください。 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルフィールド編集部
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