人手不足が本格化する中、中小企業に求められるのは、若手社員をいかに集めるか。「未来の18歳人口減少率」を見定め、廃業寸前の社員20人の会社を30年間で社員200人の企業グループに発展させたフクザワコーポレーション(長野県飯山市)の福澤直樹社長に、確実な未来を見据えた企業戦略の立て方を教えてもらう。
(写真/菊池一郎)
・人手不足が招く「土木危機」に立ち向かう秘策(12月7日公開)
廃業危機からの出発
会社が大変なことになっている。信州大学大学院で土木工学を学んでいた私が、父の会社が直面している状況を知ったのは1990年。幹部が社員を引き連れて独立したというのです。落ち込んで仕事どころではない父を助けるため、私は大学院を辞め、入社しました。
正社員は十数人。それに季節労働の社員を加えた20人余りの小さな会社でした。大学のスキーサークルの後輩だった妻は元看護師でしたが、スポーツウエアを着せて測量の手伝いをさせるほど、人手は足りませんでした。
1935年におじが創業し、それを父が継ぎ、地元で長年土木と建設に携わってきたためか、県内の格付けでA級の評価がついていた。県内の同業者からは「おまえの会社が、うちと同じA級なんて困る。こっちが恥ずかしいよ」と罵られました。あの悔しさは今もはっきり覚えています。
幸い、無駄遣いが嫌いな父のおかげで無借金経営でしたから、人を採用する余力はあった。そこでリクルートの営業担当者に相談するようになりました。そのときに、あるグラフを見せてくれたのです。確か95年だったと思います。
日本の18歳人口の予測値でした。右肩下がりのほぼ一直線のグラフです。「92年の205万人をピークに、20年後の2012年には約120万人と、4割以上減ります」「えっ…」。私は目が点になりました。新聞で人口減少が頻繁に話題になる時代はまだ先でした。
からの記事と詳細 ( 廃業危機の土木会社を高収益企業に変貌させた「未来予測」 - 日経ビジネスオンライン )
https://ift.tt/3pnlVmk
No comments:
Post a Comment