ビジネスQ&A

2021年12月 1日

ホームページの作成を制作会社に依頼したいと考えています。ホームページ制作会社は数が多く、どの制作会社を選べばよいかで悩んでいます。ホームページ制作会社はどのように選定したらよいでしょうか。

回答

自社にあったホームページ制作会社を選定するためには、まず選定者がホームページ制作に関する知識を高めることが大切です。そのうえで、ホームページの目的、ターゲット、ページ数などの情報をまとめるとともに、制作会社選定の評価項目を定めましょう。訪問可能地域などの条件から10社程度以上の制作会社をリスト化し、デザイン性・費用・サポート体制などの条件から絞り込みをします。3社程度まで絞ったら、相見積もりをとります。相見積もりの結果などが反映した内容で、再度評価を行ったうえで総合的に判断し、ホームページ制作会社を選定するとよいでしょう。

1.ホームページ制作会社に関する知識 

ホームページ制作会社に関する知識がなく、制作会社を選定すると、自社にあわない制作会社を選ぶ可能性が高まります。なるべく失敗せず、自社にあった制作会社を選定するためにも、選定者自身がホームページ制作会社に関する知識をつけることが大切です。

(1) ホームページ制作会社のタイプ

ホームページ制作会社には、いくつかのタイプがあります。代表的なタイプとして、テンプレートを利用した格安制作会社・オリジナルデザインのホームページを制作する中小制作会社や大手制作会社などがあります。
テンプレートを利用した格安制作会社は価格が安いため、資金の少ない会社や個人事業主の候補となるでしょう。ただし、オリジナルデザインになりにくく、自由度が低い点などに注意しなければなりません。
オリジナルデザインのホームページを制作したい場合は、オリジナルデザインを制作可能な中小制作会社・大手制作会社を候補にするとよいでしょう。
中小制作会社は大手制作会社よりも価格が安い傾向にあります。業界に特化した制作会社・デザインに特化した制作会社など様々あります。「自社にとってプラスとなる特徴的サービスがある場合」や「予算にあっている場合」などに候補となるでしょう。
大手制作会社は従業員の人数も多く、中小制作会社よりも組織体制が整っていると考えられます。「大規模なホームページを制作したい場合」や「制作会社の信頼性を重視したい場合」などは、大手制作会社を候補にするとよいでしょう。

(2) 料金体系

ホームページ制作会社によって、料金体系は様々です。複数の制作会社を比較しながら、妥当性のある価格なのかを確認するとよいでしょう。初期費用だけではなく、運用費用やホームページ情報を更新する際の費用なども確認しましょう。

(3) ホームページの効果

ホームページを制作したら集客力が上がり、売上がアップすると考える方も少なくないでしょう。しかし、ホームページを制作したからといって、必ずしも効果がでるとは限らないことは認識しなければなりません。集客力や売上を上げるためには、ホームページ制作だけではなく、様々な対応が必要となります。選定者は、必要に応じてマーケティングの知識もつけましょう。

(4) SEO対策

SEO対策とは、検索サイトで検索をした際に、上位に表示させる対策です。検索サイトは時代とともに検索結果を表示する仕組みを変えていますので、SEO対策も新しいものから古いものまで様々あります。ホームページ制作会社の宣伝文句に、SEO対策の表記がある場合がありますが、制作会社ごとにSEO対策を行っているレベルが異なります。具体的にどのような対策をされているのかを確認しましょう。

ホームページ制作会社の知識を知っておくと、制作会社を選定するうえで役に立ちます。制作会社を選定する方はホームペーシ制作に関する専門書などで知識を深めるとよいでしょう。

2.相見積もり依頼前に整理したい情報

ホームページ制作会社に相見積もりを依頼する場合、どのようなホームページを制作したいかを伝える必要があります。見積りの精度を高めるために、どのようなホームページを制作したいのかという情報を整理しましょう。

<相見積もり依頼前に整理したい情報の例>
ホームページの目的・ターゲット・掲載したい内容・ページ数・スマホ対応の有無・お問い合わせフォームの有無・希望納期・その他要望 など

3.評価項目

複数の制作会社から選定する際、評価項目を定め、定量評価をすると選定がしやすくなるでしょう。
評価項目は自社にあったものを定め、評価項目ごとに1~10点などの配点を設けるとよいでしょう。
なお、重要度の高い項目の配点を高めるという方法もあります。

<評価項目の例>
デザイン性・費用・サポート体制・制作会社の従業員数・設立年数など

4.相見積もり前の制作会社候補リスト

ホームページ制作会社の多くが制作会社自身のホームページを公開しています。ネット検索を用いて、制作会社をいくつか探し、リスト化しましょう。リスト化できる数は地域などによって異なってくるでしょうが、この段階で10社程度以上リスト化するとよいでしょう。
オリジナルデザインのホームページを制作する場合は、対面で打ち合わせをすることを踏まえて、対面可能な地域の制作会社をリスト化するとよいでしょう。
なお、オンライン会議等で打ち合わせを行う制作会社もあるので、その点も確認しましょう。

5.相見積もり候補の絞り込み

リスト化した制作会社を対象に評価項目を使って絞り込みを行いましょう。
この段階では制作会社自身のホームページ情報を基に判断することになります。
次の段階では相見積もりをとることとなるため、3社程度まで絞るとよいでしょう。
また、ホームページ情報だけではわからないことがあれば、相見積もり前に質問したいことをまとめておきましょう。

6.相見積もり

相見積もり候補が決まったら、どのようなホームページを制作したいかを対象の制作会社に伝え、見積もりをとりましょう。その際、相見積もりをとることを伝えると、制作会社の競争意識も高まり、見積金額等に反映する可能性があります。また、不明点があればこの時点で確認しておきましょう。

7.総合評価・選定 

各制作会社の相見積もりが出そろったら、自社で定めた評価項目を使って、総合的に評価を行い、選定しましょう。

あまり理想を高くすると選定ができなくなりますので、現実的なラインで選定を行うことも大切なことです。ホームページ制作はホームページ運営のスタートに過ぎません。制作会社の選定に力を入れるだけでなく、継続的に効果的なホームページを運営できる体制を構築することも重要です。

回答者

中小企業診断士 河野 祐輝

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