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Sunday, January 23, 2022

【独自】電力使用量から在宅状況把握、企業・行政サービスに生かす…東電など新会社 - 読売新聞オンライン

 送配電会社の東京電力パワーグリッドやNTTデータなど4社が、一般家庭の電力使用量のデータを活用したサービス提供の新会社を4月にも設立することがわかった。スマートメーター(電力計)のデータを使って契約者が生活する地域の在宅時間を分析し、企業や自治体に販売することを想定している。

 参加するのはほかに、関西電力送配電と中部電力。別の企業から出資を受けることも検討している。地域ごとの在宅時間や帰宅時間の傾向のほか、電気を使わない空き家や太陽光発電の設置率といったデータを活用したサービスを提供する。

 たとえば、使用量から地域の在宅時間の傾向がわかれば、宅配会社は留守の多い時間帯の配達を避け、効率化が図れる。スーパーは帰宅時間のデータを基に、生鮮食品や総菜の値引き開始を決めれば、売れ残った食品を捨てる食品ロスの削減が期待できる。

 自治体向けの提供も視野に入れる。データから電気をほとんど使っていない住宅がわかるので、自治体は空き家の実態を把握しやすくなる。防犯体制の強化や都市計画に生かすことが可能だ。太陽光発電の設置率は、再生可能エネルギーを普及させることに役立つ。

 データは、通信機能がついたスマートメーターで集める。30分ごとの使用量のほか、住宅に設置した太陽光発電から送配電網に流れた電気の量もわかる。電力各社は、スマートメーターの導入を進めており、2024年度末までに国内全世帯、事業所の設置を目指している。

 4社は電力データを基に、社会課題の解決を図る「グリッドデータバンク・ラボ」を運営し、実証実験を進めてきた。データは個人情報を削って、本人が特定されないように加工されている。新会社は複数の情報を集めて、傾向を提供する。顧客の要望に応じた新しいサービスも開発する。

 電力データはこれまで、安定的に供給するために使われてきた。電力各社は、電力小売りの自由化で競争が激しくなっている。新会社の設立により、ビッグデータを活用したビジネスを収益源に育てることを目指す。

 ◆ スマートメーター  通信機能がついた電力計。企業や家庭で計測した電気の使用量を無線やインターネット経由で、電力会社などに送る。電力会社は検針員を削減でき、人件費が抑えられる。契約者は使用量をこまめに把握でき、節電にいかせる。

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