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Thursday, March 24, 2022

「東京の味」に迫る値上げの波 もんじゃ焼き、すし、そばにまで 踏ん張る経営者たちの思い - 東京新聞

 「東京の味」として知られるもんじゃ焼きやにぎりずし、そばなどが値上げの試練にさらされている。食材価格の値上げが相次ぎ、エネルギー価格も高騰。ウクライナ侵攻の影響も広がりつつあるが、飲食店の経営者たちは「料理の価格は簡単に変えられない。踏ん張りたい」と努力を続けている。(妹尾聡太)

東京・月島名物のもんじゃ焼き。手前は人気メニューとなっている「もち明太チーズもんじゃ」=東京都中央区の「一樹」で(佐藤哲紀撮影)

東京・月島名物のもんじゃ焼き。手前は人気メニューとなっている「もち明太チーズもんじゃ」=東京都中央区の「一樹」で(佐藤哲紀撮影)

 中央区のもんじゃ焼き店「一樹かづき」。店主で月島もんじゃ振興会協同組合副理事長の小金沢晃さん(48)が、鉄板の上で軽快にヘラをさばく。たっぷりの具材と水溶きの小麦粉がひとつに絡まり、ソースをまとった湯気が香り立つ。

 小金沢さんは「仕入れ先が価格変動を抑えてくれているから、今は高騰に苦しんではいない」というが、主な材料のうち小麦粉は北米での不作などから既に上昇。穀物大国のウクライナが侵攻されているとあって、この先の供給不足が懸念される。食用油も値上げ続きで、ソースは近く上がる見込みだ。具材は定番のチーズの価格が上昇。めんたいこもロシア産が多く流通するため、これから値上がりしかねない状況だ。

 そば店でも、小麦粉やそば粉の価格上昇に気をもむ。品川区の「あけのきょう」店長の横山純二さん(37)は「次回の値上がり幅は、今までと同程度では済まないのではないか」と心配する。店では天ぷらやうどんも提供。北海道産のそば粉も、海外産が品薄になれば連動して値上がりする。

 にぎりずしにも影響が出ている。東京・神田を中心に展開する「江戸ッ子寿司」の蓜島はいじま大季本部長は「ノルウェー産サーモンが最も影響を受け、1キロあたり数百円上がった」と話す。空輸便がロシアを迂回するため燃料の消費が増え、価格に上乗せされるためだ。ウニやカニもロシア産が多く、先行きは見通せない。

 原材料の値上がり分を料理の価格に上乗せするのは簡単ではない。実際に、企業間取引の値動きを示す2月の国内企業物価指数は前年同月比で9.3%上昇したが、全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は同0.6%増にとどまる。

 「一部を除き価格は上げていない。お客は値段に敏感だから」と江戸ッ子寿司の蓜島さん。あけの蕎の横山さんも「値上げは客足に響く。小さな店ではできない」と語った。

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