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Sunday, March 27, 2022

「“高級時計は一生モノ”は本当か?」短期集中連載──Vol.03「グランドセイコーのアフターサービス・後編」 - GQ JAPAN

価値創造を意識した技術革新

前回はグランドセイコーの“修理対応期間を限定しない”という姿勢とそのための体制作りを紹介した。部品交換による修理の前に、部品そのものを修理して時計を正常化する方針を取っており、パーツ交換が必要になった場合であっても、一貫性のある時計作りを行っているマニュファクチュールであるため、手厚い修理対応を受けられるという話をした。

しかもグランドセイコーは、“修理”という技術を積み上げることによって、新しい価値を作ろうとしている。グランドセイコーのメンテナンスやオーバーホールを担当する「セイコータイムラボ」で新たにはじまったのが、「外装リペアポリッシュ」というサービスだ。

手首に収まる腕時計は、常に傷がつく危険がある。多少のスレ傷程度ならは味わいにもなるが、愛する時計を美しく保ちたいユーザーのために、ケースなどを磨き直すサービスがある。しかしこの工程は一長一短。磨き直せば表面は綺麗になるが、大きな傷を消すためにはしっかり磨き込まないといけないため、ケースのフォルムが変わってしまう恐れがある。とくにグランドセイコーは美しい平面と稜線が特徴なので、これがダレると魅力は半減してしまうだろう。

グランドセイコーのメンテナンスやオーバーホールを担当する「セイコータイムラボ」

Kenji Sato Photography

しかし「外装リペアポリッシュ」の場合は、深い傷が入った場所にケースと同じ素材をレーザーパルスで溶接して埋め戻し、再度ザラツ研磨とバフがけを行うことで傷を直す。そのため造形美を残したまま、ケースが美しく蘇るのだ。ムーブメントを完璧にオーバーホールするだけでなく、ケースの傷も綺麗に直してくれれば、さらに愛着が増すだろう。

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