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Sunday, July 17, 2022

企業がERPを導入する時に注意したい7つのポイント|@DIME アットダイム - @DIME

経済産業省がDXを推進していることもあり、多くの企業でシステムの入れ替えを検討しているでしょう。その中でも、ERPの導入によってシステムを一元的に管理したいと思っている企業もいるのではないでしょうか。

しかし、「ERPを導入していいのか分からない」「ERPの導入時にどのような点に注意すべきか知りたい」と思っている方も多いと思います。

そこで今回は、ERPの導入で注意すべきポイントや導入すべき企業について解説します。

今話題のシステム「ERP」とは?

ERPとは「Enterprise Resources Planning」の略で、企業にある基幹系システムが統合された一つのシステムのことです。

基幹系システムとしては、「販売・製造・人事・会計・顧客対応」などがあげられ、企業の中核を担っている重要なシステムばかりです。ERPは、こうした企業の中心となるシステムを一つの基盤上で運用できます。

ERPを導入していない場合、それぞれの業務ごとにシステムを開発し、それぞれのシステムを連携させながら運用しているケースが多いでしょう。しかし、システムごとに開発をして連携させていくと、一つのシステムで修正が入ると他のシステムへも五月雨式に影響してしまいます。

他にも、データ連携をするときに受け取り側のフォーマットに合わせる必要があるため、保守運用にコストが大きくかかってしまいます。ERPは、こうした異なる基盤で動いているあらゆるシステムを一元管理できるため、連携がしやすく運用コストも抑えられるのです。

ERPを導入すべき企業とは?

では、どのような企業がERPを導入すべきなのでしょうか?

ここでは、ERPを導入すべき企業の特徴を3つ紹介します。

①異なる基盤でシステムを運用している

異なる基盤とは、クラウドとオンプレミス型のシステムが混在している状態を指します。混在することにより、ネットワークの問題などによってクラウドとオンプレミスのシステム間連携が難しくなってしまいます。

また、クラウドの中でも、AWS・Azure・GCPといったさまざまなクラウドリソースのどれを利用しているかによっても連携のしやすさは変わってくるでしょう。

②データが一元管理されていない

ERPの導入は、データの一元管理にもつながります。

システムが個別に存在する場合、それぞれのデータベースが異なるところに存在するため、連携時にCSVの取込やAPIによる連携処理が求められます。そのため、いざデータを活用しようと思ってもすぐに利用できる環境になっていないのです。

ERPを導入することにより、データの一元管理が可能になるため必要なデータをすぐに利用できる環境になります。

③システム間で人間による情報のやり取りが発生している

システムがそれぞれ存在していることで、システム間の共有時に人間によるやり取りが発生する可能性があります。

例えば、Aのシステムである処理が終わったときに、Bのシステム担当者に連絡を入れる等です。こうした人間系によるやり取りは、コミュニケーションコストが発生して情報共有がうまくいかないケースもあります。それ以上に、連絡時の工数が発生するため、できるだけ効率的に情報共有できる仕組みを構築するのが理想的です。

ERPの導入時に注意すべき7つのポイント

ERPの導入時には、以下7つのポイントに注意すべきです。

  1. 導入後の姿をイメージする
  2. 関係部署に理解を得る
  3. 全社的に進める
  4. 部署ごとにキーパーソンを選定する
  5. 現業務の整理から始める
  6. AsIsで業務を考えない
  7. データ連携の効率化も検討する

①導入後の姿をイメージする

ERPに限らず、システムを導入するときには最終的なゴールをイメージしておくのが大切です。ゴールを明確にしておくことにより、認識のズレがなく進めていけます。

もし、ゴールを不明瞭にしたまま進めてしまうと、途中で目的を見失ってしまい、結果的に導入しても思ったような効果を得られないような可能性があります。

②関係部署に理解を得る

ERPは関係する部署が多いため、それぞれの部署に理解を得ながら進める必要があります。もし、情報システム部などが主導して理解を得ずに進めてしまうと、実際にシステムを利用する部署が消極的になってしまい、ユーザー視点でのメリットを得られにくくなってしまうでしょう。

そのため、関係部署にERP導入の説明を実施し、協力を得られるような体制づくりが望まれます。

③全社的に進める

ERPは、主導する部門だけで進めるのではなく、全社的に進めなければなりません。全社的に進めることで、導入に伴って業務の刷新が必要になったときに、それぞれの部署が積極的に取り組んでくれるでしょう。全社的に進めるためには、経営層が中心となってERPの取り組みを発信していく必要があります。

④部署ごとにキーパーソンを選定する

ERPの導入では、関係する部署の中にキーパーソンとなる人物を選定しておくとスムーズに進められます。キーパーソンの役割は、システム導入の中心となる情報システム部などとやり取りを実施し、部内へ展開することです。そのため、システムへの理解があり、なおかつ現業務への理解がある人物を選ぶ必要があります。

⑤現業務の整理から始める

まずは現状の業務から洗い出し、現業務とERPの間で発生するギャップを見つけるのが重要です。ERPは統合されたシステムであるがゆえに、標準的な業務を想定したシステム構成です。そのため、現業務の流れをERP上でそのまま再現するのが難しい傾向があります。そのため、ERP導入では現業務の流れを変えなければならない部分も出てくるため、ギャップを埋める作業が求められます。

⑥AsIsで業務を考えない

AsIsとは現状の業務を指しており、ERPの導入で現状の業務をそのまま再現しようとしないほうが良いです。なぜなら、ERPで実現できない部分が出てきたときに、現業務をそのまま再現しようとすると独自のカスタマイズが発生してしまうからです。本来は業務の標準化を目指すのがERPであるため、カスタマイズによって固有の仕組みが誕生してしまい、標準化が難しくなってしまうのです。

また、現場では今まで通りの業務を再現するのが目的だと勘違いしやすいため、ERPの導入を機に新たな業務の流れを考えるのが大切です。新たな業務を考えることで、今までやっていた業務で無駄だった作業等も洗い出せるため、今まで以上に効率化を図れるきっかけとなり得るでしょう。

⑦データ連携の効率化も検討する

ERPでは、最終的にBIツールなどを使って経営戦略やビジネスへとデータを活用していけるため、データ連携も効率化する必要があります。中には、どうしてもERPのパッケージ内に含められないシステムも出てくるでしょう。そのときに、サブシステムからERPへのデータ連携が必要となるため、連携部分を効率化させるのが重要です。

データ連携の効率化としては、「DataSpider(データスパイダー)」や「ASTERIA Warp(アステリアワープ)」などのデータ連携ツールを活用しましょう。データ連携ツールは、システムの変更が生じたときにも影響を受けにくく、運用コストを大きく下げられます。

まとめ

今回は、ERPの導入で注意すべきポイントや導入すべき企業について解説しました。ERPは、基幹システムを統合するために重要となるパッケージシステムです。現在、DXの推進とともに多くの企業が導入を進めています。

しかし、ERPは企業の中核となるシステムの刷新となるため、社内で連携しながら進めていかないと上手く導入まで至らないでしょう。

これからERPの導入を検討している企業は、今回紹介した注意すべきポイントを意識しながら進めていきましょう。

文/長谷川貴之

編集/inox.

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