日本の大手自動車メーカーとして初の「脱ガソリン宣言」、宇宙ビジネスへの挑戦、そして電気自動車(EV)でのソニーグループとの提携――。2021年4月の就任以来、ホンダの三部敏宏社長は矢継ぎ早に大胆な改革を打ち出してきた。今をホンダにとっての「第2の創業期」と呼んで社員を鼓舞する背景には「ここで変わらなければホンダはなくなる」というほどの危機感がある。ホンダが進む道を三部氏に語ってもらった。
■連載予定(タイトルや回数は変わる可能性があります)
・ホンダの決断 ソニーとEV連合、激動の時代へ変革急ぐ
・ホンダ三部社長、ソニーとのEV新会社「テスラと十分に戦える」(今回)
・鍵となる電池とソフト ホンダが孤高では生き抜けない電動化
・ホンダ、EVは「経験値」がネック 変貌する自動車開発
・「拡大戦略のツケを払った」6年間 ホンダ大改革の現在地
・転換迫られる稼ぎ頭 電動二輪でもホンダは勝てるのか
・「F1より難しい」 ホンダが挑戦する「空飛ぶクルマ」
・工場の片隅で10年、あるホンダ女性技術者がつないだ新事業の芽
・ホンダの活路 「自動車」をやめる日
三部敏宏(みべ・としひろ)氏
1961年生まれ、87年広島大学大学院工学研究科修了、ホンダ入社。2014年執行役員、16年本田技術研究所取締役専務執行役員、18年ホンダ常務執行役員兼本田技術研究所取締役副社長、19年本田技術研究所社長、20年ホンダ専務取締役、21年4月から現職。大阪府出身(写真:的野弘路)
電気自動車(EV)事業で、ソニーグループとの提携を決めました。改めて、この提携に至る経緯や狙いを教えてください。
三部敏宏ホンダ社長(以下、三部氏):ガソリン車からEVに変わると、ただエンジンを降ろしてバッテリーとモーターを積み込むだけではなく、車の価値そのものが変わっていくと思います。数年前からそう考えて、ホンダの中でも色々やってきたのですが、なかなか自動車会社の域を出ない、想定を超える面白い話があまり出てこないな、と思うところがありました。
そのころ、世の中では異業種の組み合わせで新しい価値を生むという話が一般的になっていました。そこで、自動車会社じゃないところと組むことによって、殻が破れるかもねという話が出てきたわけです。
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