大阪ニュース
2022年10月1日
落語家、桂ざこばの弟子で庶民的な演目を得意とする桂塩鯛(67)のサンケイホールブリーゼ(大阪・西梅田)での14回目独演会が噺家(はなしか)生活45周年記念として10月23日午後2時から行われる。区切りの晴れ舞台に意気込みなどを聞いた。
「米朝一門はあまり芝居噺をしないんです」と語る桂塩鯛=大阪市北区のサンケイホールブリーゼ |
噺家生活45周年の独演会を開く桂塩鯛 |
このところ新ネタとして創作落語を選ぶことが多かったが、今年は3作とも古典。一番力点を置いている、という中入り前のモタレでは立川志の輔(68)から教えてもらった「小間物屋政談」を選んだ。元は講談で「万両婿」の別名で知られ、江戸落語の名人・6代目三遊亭円生(1979年、79歳で死去)が得意とした大岡裁きの妙が光る人情噺。「円生師匠の高座は笑いどころが少ない。その点、志の輔さんは勢いがある。本来地味な噺なんですが、私は大阪弁で上方の味にしてやってみました」と説明。トリでの「蔵丁稚(でっち)」は米朝一門では珍しい芝居噺と呼ばれる歌舞伎をモチーフにしたネタ。「私、忠臣蔵をはじめとしたお芝居好きですねん。実はね…」と切り出し、落語家になるため中退した立命館大で日本史を学び直すため、このほど聴講生で復学したことを告白。
残る1作は、ネタ帳を眺めていて「コレ忘れてるがな!」と思い出したという「禁酒番屋」。元々、上方ネタだが、江戸落語では5代目鈴々舎馬風(82)が得意としており、次第に酔ってろれつが回らなくなる番屋役人の様子が聞かせどころ。
3年前に肝硬変で長期入院したが、克服し生還。45周年については「何や年回りも中途半端や、というて50周年では先過ぎる。その手前で3年先の古希(70歳)に何ぞ考えまっさ」と、一門中堅として自身の師匠が元気なうちに記念の催しを考えているようだ。
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