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Thursday, May 25, 2023

人の動作の意味を理解、ヴァレオが自動運転「レベル4」の新技術 - ITpro

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 フランスValeo(ヴァレオ)が「パントマイム」と呼ぶ新技術の開発を加速させている。AI(人工知能)を活用して人の動作の意味を理解するもので、一般道を対象にした「レベル4」以上の自動運転(無人運転)システムへの搭載を目指す。

 同社の日本法人であるヴァレオジャパンは2023年5月19日に、自社の研究開発拠点「つくばテクノセンター(茨城県つくば市)」で、開発中の技術のデモを公開した(図1)。

新技術を搭載した実験車両

図1 新技術を搭載した実験車両

(写真:日経Automotive)

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 一般道においてレベル4以上の自動運転を実現するには、人の動作の意味をシステムが理解し、車両の加減速や操舵(そうだ)を自動で制御する必要がある。「レベル3」の自動運転であればこのような場合は、操作の権限をシステムから運転者に戻すことで対応できる。

レベル4には不可欠の技術

 これに対して、レベル4以上の自動運転では、運転者が乗車していない場合もあるため、システムが人の動作の意味を理解して車両を制御しなければならない。ヴァレオジャパンのコンフォート&ドライビングアシスタンスシステムズR&Dディレクターである伊藤善仁氏は、「レベル4以上の自動運転を一般道で実現するために、今回の技術は欠かせない」と強調する。

 ヴァレオジャパンが想定する人の動作とは、警察官や道路工事の交通整理員、サイクリスト(自転車運転者)などが、自分の意思を周囲に伝えるための動きのことである。

 例えば、警察官や交通整理員のある動作が「注意して進め」なのか「止まれ」なのかをシステムが理解できないと、自動運転を継続するのが難しくなる。サイクリストが右左折などの意思を後続の車両に伝えるための動作も同様である。

 同社が5月19日に公開したデモでは、交通整理員を模擬した担当者の動作や、車両前方を走行するサイクリストの動作をカメラで捉え、その動きをスケルトンベースで車内のディスプレーに表示した(図2)。レベル4以上の自動運転システムでは、このスケルトンベースの人の動きを基に、車両の加減速や操舵を制御する形になる。

担当者の動作をディスプレーに表示

図2 担当者の動作をディスプレーに表示

(写真:日経Automotive)

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