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Sunday, May 14, 2023

あっさり味が魅力のはずが、土佐で水揚げ「脂がのった」初ガツオ…「これがまた絶品」 - 読売新聞オンライン

 赤身がみずみずしくあっさりとした味わいが魅力の初ガツオが近年、適度に脂がのった個体が交ざって水揚げされ、「これがまた絶品」と漁業関係者らを驚かせている。原因は不明だが、専門家らは長引く黒潮大蛇行などが影響して回遊ルートが変わっているのではと推測。旬の味に異変が生じているようだ。(小野温久)

 カツオの一本釣り漁が盛んな高知県中土佐町の久礼漁港は早朝、1・5~2キロの縦じま模様が並び、競りで活気づく。3月後半から、土佐沖や鹿児島沖などでとれた初ガツオの水揚げが2~4トンのペースで続いている。漁協関係者は「ここ2、3年は脂がのっちゅう。昨年は初ガツオらしくない大物も揚がった」と話す。

 「カツオソムリエ」と呼ばれ、久礼大正町市場で創業約100年の鮮魚店を営む田中隆博さん(62)は毎日のように漁港の市場の競りへ通う。最近の初ガツオについて「少し脂がのり、これがさっぱりするけど甘みがあっておいしいのよ」と力を込める。

 なぜ、脂ののったカツオが揚がるのか。県水産試験場(須崎市)では、これを裏付けるような貴重なデータが得られた。

 カツオは赤道付近の南方海域が主産卵場とされ、幼魚はイワシなど栄養豊富な餌を求めて三陸沖に向かう。日本近海では主に、鹿児島沖や土佐沖などを流れる黒潮に沿って北上するものと、伊豆・小笠原諸島沿いに移動する経路、伊豆諸島東沖を北上する経路の三つの回遊ルートがあるとされる。北上中の春から初夏にとれるのが初ガツオと呼ばれる。成長するに従って脂を含み三陸沖から産卵のため南方海域に向かう。その頃にとれるのが戻りガツオだ。

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